日時 | 2016年10月28日(金) 分科会 9:00-17:40 / 懇親パーティ 18:10-20:00 |
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場所 |
ANAクラウンプラザホテル神戸 ※宿泊の手配は各自でお願いします。事務局での代行手配は行いません(講演者/企画委員を除く)。 |
参加対象 | SS研会員機関にご所属の方 |
定員 | 120名(予定) |
参加費 | 分科会:無料 / 懇親パーティ:\3,000(当日お支払い) |
参加申込み |
開催済 |
その他 | 本会合は、2016年度秋イベント(10月27日:科学技術計算分科会、10月28日:合同分科会、10月29日:教育環境分科会)の一部です。 |
従来は人間が行ってきた様々な作業を、進化を続けてきたコンピュータが代替して行う場面が増えてきている。はたして、コンピュータが人間を超える時代は来るのだろうか?
今年度の合同分科会では、「コンピュータは人間を超えられるか?」をテーマとし、自然科学・人文科学の両視点からの講演を企画した。また、人文・社会科学でのコンピュータの関わりを掘り下げるべく、「AI時代の文理融合」をテーマとしてパネルディスカションを企画した。両企画を通じて、コンピューターと我々の関わり合いについて考察する機会としたい。
08:30- | 受付 |
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Session1 [司会]水野 雅彦 (豊田中央研究所) | |
09:00-09:10 |
会長挨拶
松尾 裕一 (宇宙航空研究開発機構)
開催趣旨説明
野田 茂穂 (理化学研究所)
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09:10-10:10 講演 50分 Q&A 10分 |
特別講演
すべての人に安全で自由な移動を 〜トヨタの自動運転技術への取り組み〜
鯉渕 健 (トヨタ自動車(株)) プロフィール
30年以上も前から取組まれてきたにも関わらず、航空機や船舶と比較して交通環境が複雑で、多くの一般ユーザーが利用する自動車の自動運転システムは製品化までたどり着いていない。こうしたハードルの高さにもかかわらず、近年多くの企業、大学が研究開発に力を入れ、国までもが強く後押しするのはなぜなのか。トヨタにおける自動運転開発の歴史と、現在の取組みを説明しながら、自動運転技術の概要と技術面、非技術両面の課題を解説する。
自動運転, 予防安全, 画像認識, 人工知能
プレゼン資料(最終版)[5.8MB]
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10:10-10:30 |
展示紹介
齊藤 哲 (富士通(株))
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10:30-11:00 | 休憩・展示見学(30分) |
11:00-12:00 講演 50分 Q&A 10分 |
特別講演
人工知能はどこまで人間にせまれるか〜心理学と生物学の視点から
石川 幹人 (明治大学) プロフィール
ディープラーニングなどの技術革新により、人工知能の社会的応用が一段と進んだ今日、かつての「人間が機械によって支配される」などの人工知能危機論が再燃している。それでは、1980年代の人工知能ブームにおいて指摘された「人工知能の限界」は解消に向かっているのだろうか。たしかにその一部はコンピュータパワーのおかげで軽減されてはいるが、根本的限界の問題は残されたままである。一方で、人間がそうした問題にうまく対処できている理由は何か。その究明には、心理学レベルの論理的思考の研究よりも、生物学レベルの生物進化研究が有望であると主張する。
認知科学, 情報工学, ロボット, 生物進化論, 心の哲学
プレゼン資料(最終版)[1.7MB]
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12:00-13:30 | 休憩・展示見学(90分) |
Session2 [司会]藤井 孝藏 (東京理科大学) | |
13:30-14:30 講演 50分 Q&A 10分 |
特別講演
迫り来るシンギュラリティ
松田 卓也 (神戸大学) プロフィール
シンギュラリティとは、全人類を合わせた以上の知的能力を持つ存在、超知能が出現する事象とか時点を言う。シンギュラリティに達すると、科学技術の爆発的な発展を通じて人類史が大きく変わる。それがここ数十年で起きるというのだ。シンギュラリティ後の人間社会がどうなるかは、技術の問題ではなく、政治的、経済的、社会的な問題である。今から考えておかなければならない。
シンギュラリティ, 超知能, 人工知能, 汎用人工知能, 第二の大分岐
プレゼン資料(最終版)[1.6MB]
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14:30-15:30 講演 50分 Q&A 10分 |
特別講演
富士通の人工知能 Zinraiの概要と適用事例
土屋 哲 ((株)富士通研究所) プロフィール
計算能力の向上とコスト低下にともない、Deep Learning(深層学習)、対話・質問応答システムなど人工知能技術は大きく進化している。最近の技術的進展を俯瞰した上で、2015年に富士通が発表した人工知能の技術体系 Zinraiの概要を紹介するとともに、その中核となっている富士通研究所の人工知能技術とその適用事例を述べる。
人工知能, 機械学習, Deep Learning, データ分析, 質問応答システム
プレゼン資料(最終版)[3.4MB]
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15:30-16:00 | 休憩・展示見学(30分) |
16:00-17:30 90分 |
パネルディスカッション
AI時代の文理融合:人文・社会科学にコンピュータ革命がもたらすもの
■コーディネーター:出口 光一郎 (東北大学) プロフィール
本パネル討論では、AIが、文系科学、特に人間や社会を対象にした科学の手法を変えていくのか、その結果としての「文理融合」とはどういうことになるのだろうか、ということに着目点を置きます。コンピュータシミュレーションに始まり、AIの時代を迎えると、「文における実験」というものが、これまでの文での方法論や、また、理での実験とも違ったやり方で有効になってくるのではないか。その先に行きつくところは、文理の融合なのか、新しい文の形なのか、理をも巻き込んでの新しい科学の形なのかを、論じます。
AI, 文理融合, 人文・社会科学, シミュレーション, コンピュータ革命
プレゼン資料(最終版)[311KB]
■パネリスト: ---------- AIエージェントベース・シミュレーション−文理融合の戦略 今田 高俊 (東京工業大学) プロフィール
デジタル世界の住人であるエージェントに人工知能を付加したそれをAIエージェントと呼ぶことにしよう。他方、エージェントベース・アプローチは、異質なエージェント(行為主体)の相互作用から巨視的な社会秩序や形態が生成される様子を、ボトムアップな形でシミュレーション実験することを可能にする。ディープラーニング機能を備えたAIエージェントを装備することで、自律性を飛躍的に高めた人工社会の実現と社会的創発性の実験が可能になる。
エージェントベース・アプローチ, AIエージェント, 社会的創発性, シミュレーション, 強いAI
プレゼン資料(最終版)[359KB]
----------〈他者〉としてのAI、〈私〉としてのAI −AIと人間は共進化するか 遠藤 薫 (学習院大学) プロフィール
AIは人間のシミュレーションであり、擬人間である。AI研究の前提に人間研究があり、人間はAIの創造主である。一方、AI研究は、人間から自律し、人間を超えるAIを目指す。現時点においても、AIは、すでに部分的には人間を凌駕しており、やがて完全に人間を超えると予想する人もいる。その意味で、AIは超人間である。人間とAIのこのパラドックスをはらんだ関係は、擬人間であり超人間であるAIを自らに再埋込するポストヒューマンの社会を創出する。われわれはいま、ポストヒューマン社会をいかに構想するかという問いを突きつけられており、その問題を解くには、文理統合した新たなアカデミアが不可避に必要とされるのである。
AI, 〈私〉, 〈他者〉, 〈社会〉, 共進化
プレゼン資料(最終版)[20.2MB]
----------AIとIoTなどの新しい技術によって構築される新しい社会的現実をどう読み解きどうデザインするか 出口 弘 (東京工業大学) プロフィール
近年人工知能やIoTなどの先進的情報技術が社会に与える影響についての議論が喧しい。だがこれらの議論の背後に時代の技術が技術社会複合体としてどのような新しい現実が社会に構築され、その上で社会の様々な意味と機能のゲーム(相互作用)が可能になるのかという視点が欠けている。産業革命以来、我々の社会は次々と現れる新しい技術によって、その経済システムや組織の有り様などの機能・構造的な側面のみならずコミュニティから社会的相互作用のありようまで、意味・機能・構造の諸側面に渡り常に新しい現実が構築され、それがまた新たな可能性の地平を拓くという形で連続的に変貌を続けてきた。とりわけ前世紀の終わりに始まったインターネット革命は、社会の根底にあるコミュニケーションの構造を大きく変容させ、我々の日常世界の構築の原理さえをも変化させてしまった。このインターネット革命の第二段のIoT(Internet of Things)による、「ひと・もの・ソフトウェアエージェント」が多様な形で接続した世界では、我々の働き方や経済システムの根底的な構造が変わり、従来の延長上にない社会的な現実が構築される可能性さえ見え始めている。
(準備中)
要旨(10/20版)[504KB]
----------コンピュータは人文科学にどう貢献できるか? 前野 隆司 (慶應義塾大学) プロフィール
前野のもともとの専門はロボティクスであったが、近年は、幸福学、幸福経営学、地域活性化など、工学と人文科学をまたがる研究を行っている。本パネルディスカッションでは、幸福学の研究者として、コンピュータを幸福学のためにいかに利用できるのかという視点から考えを述べる。具体的には、多変量解析、脳神経科学、認知科学、ビッグデータ解析、データマイニング、ディープラーニング、ロボティクス、ゲノム解析など多様に関わることを述べる。
幸福学, 多変量解析, 幸福経営学, 地域活性化, ロボティクス
プレゼン資料(最終版)[910KB]
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17:30-17:40 |
閉会挨拶
田村 義保 (統計数理研究所)
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17:40-18:10 | 休憩・展示見学(30分) |
18:10-20:00 |
懇親パーティ
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