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2006年度合同分科会 「次世代のIT社会を予想する」 討論会・趣旨説明

討論会「次世代のIT利用スタイル」の開催にあたって


PDF版 PDF file[  30KB] 写真_天野氏

九州大学情報基盤センター
天野 浩文

 
アブストラクト
 今回のパネル討論会では、政策シミュレーション、Webコミュニケーション、次世代ネットワーク、移動体通信といった最新のIT利用形態に深く関わる方々にパネリストとしてご登場いただき、それぞれの分野で「ITにどのような革新が望まれているか」あるいは「それらのIT利用形態に今どのような変化が起ころうとしているか」といった話題をご提供いただきます。それをもとに、IT製品を開発する人・作る人・販売する人・使う人の間で、どのような共通の『夢』を描くことができるのかを探っていきたいと考えています。
キーワード
IT、政策シミュレーション、Webコミュニケーション、次世代ネットワーク、移動体通信



  1. はじめに
     今回の合同分科会のメインテーマは「次世代のIT社会を予想する」です。合同分科会のメインテーマと活動方針は毎年5月の総会で承認をいただくのですけれども、今回報告した活動方針は以下のようなものでした。

     計算機の速度・記憶容量・機能・通信速度の向上、ソフトウェアの多機能化、ハードウェア・ソフトウェアの低価格化といった形で,ITはめざましい進歩を続けている。しかし、この進歩による恩恵が、多くの人にブレイクスルーとして実感できることは少ない。ブレイクスルーを実感できない期間が長いために、IT製品を開発する者・提供する者・利用する者の間にやがて漠然とした「閉塞感」がもし生まれるとしたら、それは不幸なことであろう。
     そこで、今回の合同分科会では、ITのさまざまな分野で「次のブレイクスルーは何か/何であって欲しいか」といった『夢』を語るとともに、「そのためには基盤技術にあとどのくらいの進歩が必要か」といった討論や情報交換を行いたい。

     実は、企画会議のメンバーが今年の合同分科会のテーマを相談していたとき、いろいろなキーワードが浮かんでは消え、浮かんでは消え、という時間がかなり続きました。そのうちに、議論が「最近、何かIT関連でワクワクするようなことありましたっけ?」といった風向きになりました。このとき複数の企画委員が口にした印象が「そう言えば、最近、何だかちょっと閉塞感があるよね」というものだったのです。
     SS研の会員も富士通関係者の皆さんもITが仕事に大きく関わっている人々ばかりですから、もしこれが多くの人に共通する印象だとすると、まさに由々しき事態です。
     そこで、今回の合同分科会ではITに関する『夢』を大いに語ろう、ということになりました。

  2. パネリストの方々
     上記のような理由から、今回のパネル討論会では、ITに対する『夢』を語ってくださる方々にパネリストとしてご登場いただき、「その『夢』はこうやると実現できそうだよ」、「あと●年くらいで実現できそうだよ」などという話を、残りのパネリストや当日会場にいる参加者の皆様からちょうだいしようということになりました。
     企画委員一同でどのような分野での『夢』を語っていただきたいかを考えた結果、次の皆様にパネリストをお願いすることになりました。大変曖昧模糊としたお願いに対して快くお引き受けくださった皆様に、この場をお借りして心より感謝申し上げます。

  3. 関西大学
  4. ソシオネットワーク戦略研究センター長 
    総合情報学部 教授 
    鵜飼 康東 様(政策シミュレーション)
  5. KDDI(株)
  6. au商品企画本部 モバイルサービス部
    サービス企画1グループリーダ  次長 
    松原 理 様(移動体通信網)
  7. ソフトバンクテレコム(株) 研究所  担当部長 
  8. 片山 武彦 様(次世代ネットワーク)
  9. ニフティ(株)コミュニティメディア部
  10. 山崎 瑠美 様(Webコミュニケーション)

     ただ、パネリストのお願いをしていくうちに、「何が起こって欲しいか」ではなく「今何が起ころうとしているか(=『夢のタネ』)」という話題を提供いただき、逆に「その先に何がありそうか」を残りのパネリストや会場の参加者でわいわいと想像していく、という方向もいいかな、という気がしてきました。
     そこで、パネリストの皆様ともご相談した上で、皆様にはそれぞれのお仕事の分野の立場から、

    • 『夢』
    • 『夢のタネ』

    のどちらか(あるいは両方)の話題をご提供いただき、会場の皆様とそれらの話題について議論を進めていきたいと考えています。

  11. おわりに
     冒頭に述べましたような「閉塞感」に関する私どもの懸念は、実は、「杞憂」に過ぎないのかもしれません。
     ただ、いずれにせよ、IT製品を開発する人・作る人・販売する人・使う人が一堂に会する合同分科会の場で『夢』を語り合うことによって、今後の仕事への活力を少しでも増やして持ち帰っていただけましたら幸いです。

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