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2004年度システム技術分科会 第1回会合
Spamメール解析とSpam対策

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  • メール遅延の解析

    メールのヘッダの解析から,メール系統1(主系統)でのメール配送遅延の時間変化を中継サーバと配送サーバについて図7に示す.ここで,メール配送遅延とは,1個のメールについて,中継サーバでの外部からのメール受信時刻と配送サーバでの受信時刻の差および配送サーバでの受信時刻とメールホストでの受信時刻の差を言う.前者を中継サーバの遅延,後者を配送サーバでの遅延と考えることにする.

    図7からは,遅延が配送サーバに起因することが明白である.これは,受け取ったメールを原則として次のサーバに発送する作業だけを実行する中継サーバおよびウィルスチェックサーバに比して,配送サーバでは,すぐには配送できないメールをキューに書き出したり,定期的にキューされたメールの再送をするといった処理が必要な分だけ負荷が高いためと思われる.

    配送遅延が10分以上のメールについて,中継サーバでの受信時間帯ごとの件数を図8に示した.図8からは,メール遅延の発生が午前2時台および3時台に集中して発生していることが明らかである.また,MX的に系統1のバックアップとなっている系統2には,系統1に見られるような明白なピークは存在しない.これらのことから,Spamの発信がMXを参照せずに行われていることが推測される.また,Spam発信そのものが少数のグループによってコントロールされているようである.

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