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懇親会 富士通役員挨拶




伊東 千秋(富士通(株)経営執行役専務)

皆様、こんばんは。このように多数の方々がSS研の合同分科会で熱心なご議論をされましたことを厚く御礼申し上げます。また、日頃は富士通のプロダクト、サービスをご愛用賜りまして厚く御礼申し上げます。

ところで、今日ここに上がってきたこの人は一体誰なんですかと、そういう感じだと思います。少し自己紹介をさせて頂きますと、私は1970年に入社しまして、それから1990年までの20年間をパターン認識ですとか、リモートセンシングに使うイメージプロセッシングですとか、コンピュータグラフィックスですとか、どちらかというとアカデミックなことを仕事にさせて頂きました。実はその間、このSS研にも何回も参加させて頂きまして、皆様とよく議論をさせて頂きました。

1990年になりましてから、突然、その当時、まだ全然軟弱だったパソコン事業の再建ということで、パソコンの方に参加致しまして、それから少しSS研と縁が無くなってしまったという感じがします。

8年位パソコンをやりまして、ようやくビジネスが見えてきたなと思ったところで、急に今度はアメリカに行けと言われまして、アメリカの非常に厳しいビジネスの中で会社の再建ということを3年ほどやって、2000年に日本に帰って参りました。

2002年からは、富士通の基幹でございます、サーバ、ストレージ、ミドルウェア、そしてネットワークといった、ある意味で私どものプロダクトの背骨の部分を、強化するための仕事を頂いております。

その中にはもちろん、先ほど話題に出ましたスーパーコンピュータの問題も当然大きな課題として入っています。新聞にも発表させて頂きましたが、この10月1日から富士通のスーパーコンピュータに熱き思いをもっている人たち、これはサーバだけではなく、ストレージ、ミドルウェア、あるいは半導体、それからもちろん研究所のコアのメンバも含めて推進組織を立ち上げさせて頂きました。多分、次の次の世代のスーパーコンピュータということになると思います。

皆様からは、ちょっと遅いんじゃないの?、もっと早くそういうのを立ち上げるべきだったのではないか?、という意見もあろうかと思います。それは正しくまさにそうなんですけれども、私としましては、ある意味で良いタイミングだったと思っています。

それは、実はこの8月にPrimePowerを、90nmの新しいテクノロジーを使ったプロセッサーを搭載してこの世の中に出したのですけれども、非常にラッキーが重なりまして順調に出荷ができました。出荷できたあとから振り返ってみますと、やはり130nmのテクノロジーから90nmに移ったことによって、今までに経験しなかったことが沢山起きている、つまり不連続になっております。

ご存知のように、今世界で速いプロセッサーを開発できるベンダーというのは富士通、インテル、IBMの3社だと思いますけれども、先日インテルが4GHzのプロセッサーを断念したということです。どうも最近のシリコンテクノロジーを見ますと、従来の延長線上では行かないなと、我々はどうも未知の領域に入ってきたのかも知れないなと思っています。

そういう意味でまさに従来の経験が、ある意味では役に立たなくなってきた領域に入ってきた時にこそ、まさに皆様方のいろいろなご見識、あるいはご意見、あるいはいろいろなご指導を頂きながら、私どもの次の新しいスーパーコンピュータの開発に役立てていきたいと思っています。

本日はどうもありがとうございました。

(拍手)



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