1.はじめに
1.1.ReKOS(リコス)とは
ReKOS(Research Knowledge Organizing System)は研究者や教師が効果的な発表や授業を行うための、デジタルコンテンツ用共通プラットフォームである。パーソナルなクライアント環境で、マルチメディア素材を自由に並べ替え、さらに簡単に自作コンテンツを作成、追加することができる。独立行政法人理化学研究所戎崎計算宇宙物理研究室が中心となって開発を行っている。
ReKOSはコンテンツの実行及び編集・管理ツールであるアプリケーションと、このアプリケーションがコンテンツを扱うためにコンテンツが満たすべき仕様からなっている。ReKOSの仕様はADL SCORM1.2およびIMS LOM1.0の仕様に準拠している。[1]
1.2.学校教育の情報化
e-Japan重点計画2004[2]には「2005年度までに、概ねすべての公立小中高等学校等が高速インターネットに常時接続できるようにするとともに、各学級の授業においてコンピュータを活用するため、必要な校内LANの整備やIT授業などに対応した「新世代型学習空間」の整備等を推進することにより、すべての教室がインターネットに接続できるようにする。」とあり、学校教育において、コンピュータを活用した授業実施は今後ますます推進されていくことは容易に想像できる。
1.3.教育現場でデジタルコンテンツの普及を図る上での整備指針
学校教育現場で、デジタルコンテンツを今後の普及を図る上で整備する方向として「教員による自由な並べ替え、独自の素材の取り込みなど、教育の現場からの要望に応える手段として「モジュール化」と「パッケージ化」の概念に基づくコンテンツ整備が考えられる。(中略)また、デジタル教材の中で提供される素材は、それが何を表すかの情報が伴って初めて学習資源としての意味をもつ。従って、整備する全ての学習資源に対し、メタデータを付加するのはもちろんのこと、学習資源の流通にあたっては、単なる画像等素材単体での流通ではなく、ストーリー性を持ったある単位で流通されるよう配慮してゆくべきである。」[3]という提言が文部科学省科学技術・学術政策局からなされている。
1.4.デジタルデータ、デジタルコンテンツとは
本稿で言う「デジタルコンテンツ」とは、研究者等が講演などでコンピュータを用いて利用する資料や、教育現場において従来の紙やOHP,ビデオ,模型などの教育素材ではなく、コンピュータを用いて利用する教育素材及びソフトウェアを「デジタルコンテンツ」とする。「デジタルデータ」とは、コンピュータで扱えるデータ(テキストファイル、ワープロ文書ファイル、画像ファイル、ムービーファイル、ソフトウェア等)全てを「デジタルデータ」という。「デジタルデータ」は「デジタルコンテンツ」を含む。