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開催趣旨


企画委員 : 矢島 鎗司(国士舘大学)

     みなさん、おはようございます。本日は合同分科会の最終日ということで、研究教育環境分科会第2回会合を始めます。
     はじめに恒例に従い、開催趣旨ということでお話をいたします。
     プログラムを見ていただければお分かりと思いますが、最初に基調講演としまして、「国境を越えるeラーニングとその質保証」という演目でメディア教育開発センターの吉田 文教授にお話していただきます。次に「東北大学インターネットスクール」として、東北大学大学院教育情報学研究部の渡部 信一教授にお話をいただきます。その後休憩を挟み、「eラーニング向け講演ビデオコンテンツの作成支援」という内容で富士通研究所 ITメディア研究所の直井 聡 さんにお話をしていただきます。
     話が前後しますが、テーマとして今年度は『e-Learningは教育を変えるか?』が研究教育環境分科会のメインテーマです。今回は「e-LearningからLearningへ」という副題がつけられています。すなわち"e"が取れて将来どうなっていくか、を考えていこうということが今回の趣旨になっています。今日は東北大のお話をしていただきますが、昨年は信州大の大学院の試みや第1回会合でも事例紹介がありましたが、いろいろな教育機関において、e-Learningを用いて新しい教育が考え始められてきているかと思います。
     "e-Learning"だけではなく、テーマの"Learning"あるいは教育というものを考えていくという非常によいチャンスが、今、来ているのではないかと考えます。
     非常に古い話をいたします。日本は、明治維新以来、ドイツの教育方法を下敷きに近代国家を形成するために新しい教育方法を始めたのではないかと思います。そのドイツでは小学校はGrundschule、その前の幼稚園はKindergarten、このKindergartenのKinderは子供たち、gartenは庭というドイツ語です。幼稚園は英語でもKindergartenというので、幼児教育はドイツが始めなのではないかと思います。中等教育には、Mittelschuleが中学校、それ以外にHauptschule、Realschule、Oberschuleと複雑になります。更に小学校と中等教育が統合されたGesamtschuleがあります。中学・高校が一緒になっているGymnasiumがあります。高等教育になりますとUniversitätやHochshule (technische Hochschule, medizinische Hochule, pedagogische Hochschule) 等、非常に複雑な教育システムが作られています。あるところでは、第二次世界大戦で日本は敗戦を2回したのだと言われています。一つは戦争ですが、もう一つは教育システムを根本的にアメリカ式に変えてしまったということです。かなり乱暴な言い方になりますが、そういうことも言えるのではないかと思います。
     先ほども申しましたが、e-Learningというものから教育というものを今、考えるいい機会だと思います。今、この研究教育環境分科会には非常にたくさんの方々が興味をお持ちになって参加していただいています。これは教育基本法が国会で議論されることとも絡まって、我々がこれからの日本のe-Learningというものを、あるいは吉田先生が基調講演の中でお話されるかもしれませんが、世界の中の日本の教育というような形で教育を見る機会が訪れているのだと思います。そういうことでこれから、研究教育環境分科会第2回会合を開催したいと思います。よろしくお願いいたします(拍手)。

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