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開催趣旨


企画委員 : 矢島 鎗司(国士舘大学)

     今年の分科会のテーマは「e-Learningは定着するのか」です。Goltzschtal Brucke1そして、この第1回会合では「e-Learningとは何か」を考えていこうということで、副題がついております。「e-Learningとは何か」という副題とこの写真との関連は「何か」ということなのですが、今年の夏にドイツへ行ってきまして、大洪水の影響で空は曇っていますが、たくさんのアーチが並んでいるゲルチタール ブリュッケという名前の橋があります。
     旧東ドイツで、ライプチッヒからホーフという町を繋いでいる鉄道路線上にある橋の一つです。大きさを比較するための写真を出していますが、人の大きさと比べてみてください。Goltzschtal Brucke2橋の上には鉄道の線路が走っています。この橋の概要ですが、今から150年ほど前に建設され、全長が580m、高さが83mです。このアーチの橋は現在でも、石造りでこのタイプの橋では世界第3位を誇っています。150年経った今でも現役で橋の上を汽車が走っています。19世紀、20世紀のInfrastructureとしてこれは定着して21世紀にまで生き延びてきています。旧世紀におけるInfrastructureというものが、未だにInfrastructureとしての役割を担っているのではないかと思ったわけです。
     今年度の「e-Learningは定着するか」というテーマを考えるときに、e-LearningはInfrastructureとしてこれから定着していくのかということをいろいろな発表や報告で今日は、みていきたいと思っています。
     私情協が今年の5月に「私立大学教員による情報機器を利用した授業改善に関する調査」というものを小さなパンフレットで出しておりまして、そこから引用していますが、平成10年(4年前)と平成13年(去年)の調査で、意識の違いとして情報機器を使用しない理由として「効果がない」と回答した人が、4年前の65%から50%と少なくなっています。反面、「条件が整えば使用する」は35%から50%に増えています。情報機器を使用して、その一部分なのか非常に大きな部分を占めているe-Learningなどになっていくのではないでしょうか?要するにInfrastructureとして定着していくということを、歩み始めたのではないかと思われます。それでは3年後はどういう形になっていくのかということですが、「Webページに教材・資料・小テストなどを掲載して学生が自学自習」の項目では、2割を超えていて、3年後には57%ぐらいになるだろうと考えている教員が多いようです。このような教員の意識なり、大学の計画あるいは教育政策があると言えるのではないかというわけです。このような状況で、e-Learningの現状と事例を今日はいろいろとご報告していただき、考えていきましょうというわけです。
     それでは、よろしくお願いいたします。


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