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まとめ企画委員 : 矢島 鎗司(国士舘大学)
最初に、開催趣旨でゲルチタールというところのアーチの橋をお見せいたしましたが、あの橋が完成したのは、アメリカの南北戦争をする10年前だそうです。それからずっと長いことInfrastructure、すなわち経済基盤になってきたわけです。今、教育というのは、古い言葉になりますが、「国を興すものは教育である」いうような形で考えたときに、アメリカが、吉田先生と家本先生が詳しく説明していただいたe-Learningあるいはアメリカの教育状態というのを思うときに、その時に南北戦争をしていたような国が、というのもおかしいですが、そういう状況から150年経った後に私たちの日常生活に非常に大きな影響を及ぼす、または経済基盤というものを揺るがすようなものが出てきているというのも、非常におもしろいと思いました。 教育論となりますと、自国の哲学といいますか、国単位で言えば国民性というものが出てくるもので、まさにそれがe-Learningあるいはアメリカの持っている教育というものに反映して、私たちにインパクトを与えている印象を持ちました。いかがだったでしょうか? 次に、高橋さんの発表ですが、教材の標準化ということでお話いただきましたが、最後にお話されたものが印象に残りました。富士通にも非常にいいものがあって、それも続けていく。それを求めているユーザもいるというお話でした。標準化というのは、特にパソコンでは今のCD-Rを見ても、フロッピーディスクを駆逐して、使用してはいます。ほぼCD-Rの方が標準化されたものと感じます。Windowsも然りです。強いものが覇者として標準化されてということでもあるわけです。したがって、富士通さんも自社で持っているものを覇者にして、弱肉強食の世界ですから、そこでSCORMというartificial(人工的)なものではなくて、富士通がこれだというもので、ぜひ勝ち取って、それが標準化になるようなことも頑張ってやっていってもらいたいと思いました。また山村さんのFUJITSUユニバーシティですが、今の日本の大学の教育に欠けているものを、非常に含んで持っている、あるいはそれを実行されているのではないかなと私は感じました。というのは、私はドイツの影響を受けていますが、ドイツの教育というのは職業教育だということで、大学も職業というものを大前提として教育をしています。企業の行っている教育というのは、まさに職業教育そのものであります。それを今、大学が真剣に取り組んでいるといえないので企業が行わなければならないということは、まさに大学が考えなくてはならない大きな問題であるのではないかと思います。 ただ、この分科会は、研究教育環境という名前のついている分科会です。今日のテーマは、ほとんど教育の分野の発表でした。文科大臣の遠山さんが、大学について、TOP30というお話をされています。世界の30位に入る大学を日本に作っていかなくてはいけないということですが、これは研究という大学が課せられた使命でのことであって、もう一つの教育という面においては、はたしてどうなのかなと思います。大学(短大も含めて)進学率が50%を超えると言われています。そういった時にTOP30ということだけ、すなわち、研究面についてのみ目を向けていればいいのだろうか?と言う疑問に対する一つの答が今日の報告の中に含まれているのではないかと私は思いました。それは、吉田先生の最後の質問、「外に出て行く気はありますか?」という質問に対し、大学との「提携」という言葉を使われ質問の答とされました。提携にとどまらず、FUJITSU大学という名前で打って出られても、今の大学にどれだけ対抗して教育を進められていくことができるか大いに興味のあるところでもあります。アメリカの営利大学という話が吉田先生からありましたが、そういった大学の持つ教育分野があるのです。山村さんの肩書きは、FUJITSUユニバーシティ所長となっていますが、所長というよりも学長あるいは総長とされ、富士通内部にとどまらず外に出てこられると、既存の大学としては非常に脅威であるということを申し添えて、最後にまとめさせていただきます。第2回の会合として10月30日に予定されていますが、その時に副題は「e-Learningの可能性を探る」ということで、また議論を深めていきたいと思います。またご参加いただければと思います。 今日はありがとうございました。(拍手) |
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