NICEは平成元年から3カ年かけて構築され、平成5年と7年の補正予算で更新された。 平成5年以降のネットワークをNICEIIと呼んでいる関係上、今回更新しているネットワークをNICEIIIと呼んでいる。 建設当初からのネットワークの物理構成を比較すると以下のようになる。
分類 | 基幹 | 建物間 | 建物内 | 端末接続環境 |
第一世代 | MHLINK 410Mbps | 光リピータ 10Mbps | イエローケーブル 10Mbps | イエローケーブル 10Mbps |
第二世代 NICEII | ATM 622Mbps | FDDI 100Mbps | FDDI 100Mbps | イエローケーブル 10Mbps 一部情報コンセント 10/100Mbps |
第三世代 NICEIII | 10Gbit Ethernet 10Gbps | 1Gbit Ethernet 1Gbps | 1Gbit Ethernet 1Gbps | 情報コンセント主体 10/100Mbps |
建設当初のNICEは基幹のMHLINKのループ上のノード装置からイエローケーブルを各建物まで光リピータで延長した、いわば芋蔓型の構成となっていた。 一方NICEIIは、ATM交換機を多重結合した基幹ネットワークと、複数の建物をFDDIループで接続した部局LAN、さらに建物内でもHUBをFDDIループで接続した、ループ型のネットワークである(図1)。 それに対しNICEIII(図2)は、基幹のGSW(10ギガビット対応スイッチ)間、GSWと各建物のルータ間、さらにルータからギガビット対応のHUB間まですべてスイッチで接続する完全なスター型となる。
NICEIIIの設計にあたっては、これまでの利用形態がそのまま継続できることを第一条件として、最大限の高速化を図った。以下はその主な項目である。
- バックボーンを10Gbpsに高速化する。
- すべての建物でギガビットが利用できる環境を用意する。
- セキュリティを強化する。
- 設置から10年が経過した設備の利用を停止する。
- 来るべきIPv6に備える。
現在の利用形態を変更しないために、サブネットの構成など論理的なネットワーク構成の変更は行わないことにした。 また、各建物でギガビットが利用できる環境については、ギガビットのネットワークインタフェースがまだ普及していないため、ネットワーク機器の導入は見送った。 しかし、将来ギガビットの高速通信の要求が発生した場合に対応できるように光回線の準備をしておくことにした。
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