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1. はじめに
新情報処理開発機構では、1995年以来、スパコン並の性能を引き出すクラスタのためのシステムソフトウエアであるSCoreの開発を行なっている。最近、クラスタ構築が花盛りになったが、大規模クラスタを構築した時に期待通りの性能が引き出せるのか、システムは安定して稼働するのか、など未知の世界であった。ユーザに対して大規模クラスタ実現の先鞭をつけると共に、今後の並列処理市場を牽引することを目的に、本年春、1,024プロセッサを有するクラスタであるSCore IIIを開発した。
本発表では、まずはSCoreソフトウエアを紹介し、その後SCore IIIの設計と実装の解説を通して、大規模PCクラスタ構築時の注意点について述べる。