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分科会等懇談会


テーマ:e-learning

    日  時: 2001年10月31日(水)19:30〜21:30
    場  所: 神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズ 3階「布引」
    まとめ役: 司会:矢島 鎗司(国士舘大学情報科学センター)
    記録:役  誠雄(富士通(株)システムインテグレーション事業本部)
    参 加 者: 32名(会員:11機関12名、富士通:20名)
    討論要旨:
    1. ユーザより「学習教材「命令セットアーキテクチャ」の開発」について話題提供があった。教材の開発には大変な労力を費やし苦労したが、定期試験の成績の年度別推移から判断すると理解度が下・中位の学生には貢献している。しかし上位者の理解度向上には十分でなく、それを意識した学習項目の追加が必要である旨報告された。
      また、今後の改善予定についても報告があった。これに基づき、テストの実施方法(デスマッチ方式等)、教材の作り方(難易度順に並べる、多くの問題を作成しておきランダムに出題等)、優秀な学生の吹きこぼれ問題(優秀な学生を中心に据えた教育も行なうべき等)、協調学習ツール等について議論が交わされた。

    2. 富士通より「富士通が提供するリメディアル教材」について話題提供があった。リメディアル教育の背景、大手進学塾との連携によるリメディアル教材の紹介、富士通が提供するコンテンツサービスの処理フローと今後の品揃えについて報告がなされた。これに基づき、午後の研究教育環境分科会のセションで発表のあったWebCTの話題も交えて議論が交わされた。リメディアル教材は特に医学系単科大学では必要とされるのではとの指摘があった。また、北米のリメディアル教育の現状、コンテンツの流通状況、標準化対応、日本でのWBTの普及の必要性について議論された。WebCTは高校の基礎教育から大学院での教育まで幅広く利用されており、コンテンツ数は1000程度。コンテンツの流通は現状ではまだ活発でない。WebCT.comがコンテンツを管理・販売している等の情報提供があった。

    3. 全体を通して、教材の集約化・標準化に伴う弊害の側面、少子化により18才人口が減少していることに加え、進学率が50%に迫ろうとしていることに起因した大学生の学力低下問題、それに対応するためのエリート教育と技能教育への分化の必要性、多様な価値観を許容する教育の重要性等について議論された。また、教員は学生に目標を見つけさせることが大事であるとの意見があった。最後に、一番重要なことは教育をどう考えるかということであり、そのなかで、e-learningの特性を考慮し適用を検討していくべきであるという認識で一致した。

 

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