近年のサイバーセキュリティインシデントは急激に多様化するとともに、組織や個人に与える影響が深刻化し、致命的なものも増えてきた。例えば、フィッシングや標的型攻撃による識別子やパスワードの流出、また流出したIDの情報を使用したSPAMメール攻撃や、不用意なサービス公開によるUDPパケット攻撃によるサービス壊滅的な被害、インターネットから直接アクセス可能な複合機からの重要な情報の流出、パソコンやUSBの盗難、紛失による個人情報の漏洩などをあげることができるが、いずれも従来のファイアウォール、IPS、IDSやアンチウイルスソフトでは有効な対策ができないものばかりで、新たなセキュリティ対策が求められている。
本年度は、このような新たなサイバーセキュリティインシデントを総括し、その対策に必要なリテラシーとあわせて紹介する。そして、新しい対策として、構成員の意識を向上させるサイバーセキュリティ訓練、組織的にセキュリティ対策に取り組むISMSの導入、さらに、セキュリティ被害に対する保険をとりあげる予定である。
本年度も、クリッカーを活用し、講演者と聴衆の距離を近付ける形式を目指す。