近年、大学や研究機関などの組織において、多くのサービスが電子化され、そのシステムの運用管理が重要になってきた。さらに、近年の、サービス品質、信頼性、セキュリティの向上への要求によって、これらのサービスの運用管理形態、体制は、数年前のそれからは変化してきている。
信頼性の面では著しく向上した商用パッケージ等が普及する一方で、Open Sourceによるシステム構築、運用を中心にシステム運用管理を行なっている組織もある。Open Sourceを用いる場合、トラブルの原因を自組織で早期に発見したり、システム自体にかかる費用を低減できるというメリットが期待できるからである。
費用度外視の重要なシステムは商用パッケージで、また、費用を抑えることができるシステムはOpen Sourceで人材育成も兼ねて、というのが理想のように思える。しかし、昨今のシステム運用を総合的に考えると、理想や導入コストだけでOpen Source導入を決定することは困難であるのが実情である。
このような背景から、システム技術分科会では、最近のシステム運用管理において積極的にOpen Sourceを導入している事例や、Open Sourceそのものの開発に取り組まれている方とのディスカッションを通し、システム運用管理におけるOpen Source導入のメリット、デメリットについて様々な面から、理解を深める場を設ける。
また、システム技術において近年では不可欠となっているセキュリティに関する最新の話題も取り上げ、議論を深める。