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システム技術分科会 2010年度第1回会合 [実施済] [アンケート結果]

システム技術におけるクラウドの基礎とその導入  印刷用ご案内

日時 2010年8月27日(金) 分科会 13:30-17:30(受付13:00-)/懇親会 17:45-19:00
場所 汐留シティセンター 24階 富士通株式会社 大会議室
(〒105-7123 東京都港区東新橋1-5-2)
参加対象 SS研,IS研,CS研の各会員機関の方ならどなたでも参加いただけます。
参加費 分科会:無料 / 懇親会:\500 (当日お支払い)
その他 服装は、クールビズをお勧めします(室温28℃)

開催趣旨

 近年、急速に普及してきたクラウドとは、システム技術の観点から見ると、システム運用のアウトソース、データセンターを利用したITリソースの安全な保管、SaaS利用などの集大成といえる。完成度の高いクラウドにおいては、従来自組織で管理していたシステムを利用者に対してほぼ同じようにサービス提供が可能になるため、システム運用管理のオーバヘッドを大幅に削減できる可能性がある。その一方、集中システムにみられる対障害性の問題や、システム運用をアウトソースすることにより自組織でシステム技術者育成が出来なくなるという問題も考えられる。
 このような背景のもと、2010年度のシステム技術分科会では、システム技術の観点でクラウドを取り上げる。第1回目の今回は、まずクラウドそのものの理解を深める機会を提供する。さらに、アウトソース先としてクラウドを自組織のシステム運用に採り入れている事例やクラウド導入サービスの紹介などを通じて、クラウドについて広く理解を深める。なお、第2回会合では、システム技術者が最も注意を払うべき、クラウドを利用したシステムにおけるセキュリティに着目する予定である。

プログラム(敬称略)  

13:00- 受付
Session1 [司会]神成 政明 (日本原子力研究開発機構)
13:30-13:40
岡村 耕二 (九州大学情報基盤研究開発センター)
13:40-14:30
講演 40分
Q&A 10分
【講演1】
クラウドコンピューティングの動向と富士通の取り組み
富士通株式会社 中村 記章 [プロフィール]
[アブストラクト]

近年のコンピュータサイエンスをとりまく環境は、変化の激しい企業経営環境に対応する、「業務プロセスの変革やコストの削減」に応えるクラウド化の実現に対する要求が高まっている。

本講演では、ビジネス状況や最新活用事例を交えながら、「企業の業務プロセス効率化」から「電力・交通などの社会インフラへの適用」へと広がるICT活用の期待を実現する、「クラウド社会に向けた富士通の取り組み」について報告する。

[キーワード]
クラウドコンピュータ, クラウド市場動向, クラウドソリューション, クラウド活用事例, 社会インフラ向けクラウド
[資料]
プレゼン資料(最終版)
14:30-15:20
講演 40分
Q&A 10分
【講演2】
クラウドコンピューティングの全面適用とその効果
静岡大学 井上 春樹 [プロフィール]
[アブストラクト]

今、企業・学校・自治体など組織を管理する情報システムには従来では考えられなかった様な幅広い機能、性能が求められるようになってきています。

すなわち、(1)環境負荷の最小化(Green IT)、(2)情報セキュリティシステム(ISMS)の確立、(3)大災害時の業務継続性(BCP)の確立、(4)ITコンプライアンスの遵守、(5)IT投資コストの最小化、などです。

「これらのうちの一つを達成することさえ困難なのに全部を満足することなど到底できない」と感ずるのは当然のことですが、それは従来のITの考え方のみをベースに検討しているからだと思われます。

これに対し新しいコンセプトである「クラウドコンピューティング(CC:Cloud Computing)」の全面的活用方向に舵を切ることにより、それらのすべてを高い水準で満足できる可能性が出てきました。

2006年頃にくっきりと姿を現しだしたCCは急激にその知名度を上昇させ、2010年現在に至ってIT分野を覆い尽くすような印象を与えつつあります。しかし、我が国の状況をよくよく観察すると、CCを全面的に適用して満足な効果が得られている事例は驚くほど少ないことがわかります。

CCに関するセミナーや講演会は数限りなく行われているにも関わらず、CCを全面的に適用し成功した例は一向に増えません。また「講演者の多くが実は自身でCCに実際には触れたことが無く、欧米の状況を聞きかじっただけ」という滑稽な状況も垣間見えます。一体これはどうしたことなのでしょう。

現在のCCは非常に混乱した状況にあります。IT大手ベンダー、メーカーにとってCCは強力な武器であると同時に、そのビジネスの根本を揺るがしかねない「危険な罠」でもあります。なぜならCCを進めれば進めるほど、従来のITビジネスが衰退するからです。

結局「メーカー」「ベンダー」「ユーザ」の全てがCCと言う「踏み絵」によって、彼らのIT中長期戦略の正しさを問われているのだと思います。

静岡大学では、この様な流れの中でクラウドコンピューティングをベースとした情報基盤の全面的な更新検討を2006年から開始し、2010年3月時点で、従来とは異なる考え方の情報基盤の構築を完了し、実際の教育・研究支援を開始しました。現在は詳細な検証中ですが、それにも関わらず非常に大きな成果が得られつつあります。

今回の講演では、CCの混沌とした現状を説明し、次に静岡大学と関連施設でのCC全面適用事例とその検証結果を紹介することで、CCの全面適用の具体的手順を示し、最後に現在のCCの本質的な課題を述べたいと思います。

[キーワード]
クラウド, 全面適用, 仮想化, Green IT, ISMS, BCP
[資料]
論文(最終版) プレゼン資料(最終版)
15:20-15:40 休憩(20分)
Session2 [司会]奥村 勝 (福岡大学総合情報処理センター)
15:40-16:30
講演 40分
Q&A 10分
【講演3】
富士通におけるソフトウェア開発クラウドの実践事例
富士通株式会社 赤松 弘之 [プロフィール]
[アブストラクト]

ソフトウェアビジネスグループでは、ミドルウェアを開発保守するためのサーバがプロジェクトごとに管理していたため、サーバ管理が開発者の負担になっていた。サーバを沼津ソフトウェア開発クラウドセンターへ集約/仮想化することで開発者が管理作業から開放され開発に専念できるようになった。さらに、仮想化と同時にビルドサービスを提供することで、効率化と品質強化を狙っている。

本講演ではこれらの取り組みについて報告する。

[キーワード]
プライベートクラウド, サーバー集約, ソフトウェア開発, 実機教育
[資料]
非公開
16:30-17:20
講演 40分
Q&A 10分
【講演4】
プライベートクラウド化がもたらすセンターシステムの価値
-農林水産研究情報総合センターのコアコンピタンスとは何か-
農林水産技術会議事務局 服部 紳二 [プロフィール]
[アブストラクト]

農林水産研究情報総合センターは、全国に展開する農林水産研究拠点(農林水産省所管の研究機関 約100拠点)を結ぶネットワーク(MAFFIN)と、Mailや情報共有サービス、科学技術計算システム、ネットワークライブラリなど様々なサービスを提供してきた。

プライベートクラウド化がもたらす新たな価値とは何か、センターシステムのリソース、技術開発力を活かすプライベートクラウドとは何かを、農林水産研究情報総合センターにおける取り組みを例に紹介する。

[キーワード]
クラウド, データセンター, 仮想化, コンピュータ資源, 科学技術計算
[資料]
論文(最終版) プレゼン資料(最終版) 講演後Q&A
17:20-17:30
岡村 耕二 (九州大学情報基盤研究開発センター)
17:30-17:45 休憩(15分)
17:45-19:00
【懇親会】
お飲み物とおつまみの簡易パーティです。お気軽にご参加下さい。(会費 \500)

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