ホーム > 活動情報 > 科学技術計算分科会 > SS研HPCフォーラム2011

SS研HPCフォーラム2011

ペタスケールHPC技術が支える地球科学  印刷用ご案内

日時 2011年8月25日(木) 分科会 10:30-17:25(受付9:45-)/懇親会 17:45-19:00
場所 汐留シティセンター 24階 富士通株式会社 大会議室
(〒105-7123 東京都港区東新橋1-5-2)
参加対象 SS研会員に限らず どなたでもご参加いただける オープンイベントです。
定員 200名
参加費 分科会:無料 / 懇親会:\500 (当日お支払い)
その他 室温は28℃設定です。服装はクールビズをお勧めします。
終了しました。

開催趣旨

近年、気象・環境、防災、ナノサイエンス・材料、ライフサイエンス、エネルギー・原子力、航空・宇宙などにおける大規模科学技術計算ニーズが飛躍的に増大してきております。さらに民間企業においても開発コスト削減、生産性向上を目的としたシミュレーション・解析の実用化が進展し、戦略機関等に代表される各分野においてペタスケールシステムの利用を見越したアプリケーション開発が加速しています。一方、汎用CPUをベースにした超並列のスーパーコンピュータ、あるいは、それと GPGPUに代表されるアクセラレータを組み合わせた複合環境をベースとするペタスケールシステムの運用も現実のものとなり、ペタスケール計算を本格的に活用する時代を迎えています。特にこの6月に公表されたTOP500のリストでは、理化学研究所と富士通の共同開発中である「京コンピュータ」が 8.162 Pflop/sで第1位にランクされました。
今年度のHPCフォーラムにおいては、去る3月11日に東日本を襲った大震災もふまえ、「ペタスケールHPC技術が支える地球科学」をテーマに、東北大学今村先生の津波のお話をはじめとして、固体地球に関しては神戸大学の陰山先生、気象に関しては理研富田先生、地震に関して東京大学の堀生にそれぞれシミュレーションによるご研究のご紹介をいただきます。最後に富士通から、次世代スパコン『京』についていろいろな視点からご紹介いただきます。
これらのご講演を通じ、ペタスケールを目指したシミュレーションとそれを支える基盤技術の現状と将来の方向性についてみなさまと活発な討論ができればと存じます。

プログラム(敬称略)  ※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

9:45- 受付
Session1 [司会] 三浦 謙一 (国立情報学研究所)
10:30-10:35 [会長あいさつ]
村上 和彰 (九州大学)
10:35-10:40 [開会あいさつ]
三浦 謙一 (国立情報学研究所)
10:40-11:40
講演 50分
Q&A 10分
[講演1:基調講演(津波)]
東日本大震災での津波の被害像と今後の減災への課題
今村文彦 (東北大学) [プロフィール]
2011年3月11日、宮城県沖を震源としたマグニチュード9の巨大地震および津波が発生した。東北地方太平洋沖地震と気象庁により命名され、我が国での歴史上最大の規模であり、沿岸各地で壊滅的な被害を受けた。今回の大震災を人的・物的被害の面から考えると、津波による被害が圧倒的に広大かつ甚大であった。本講演では、現在までの調査で判明されつつある津波被害の実態と多くの教訓を紹介したい。また、各地域での以前の津波規模や被害の評価、当時の気象庁による津波警報と避難の状況などを説明する。これらの基礎である想定津波被害の手法や数値シミュレーション方法などを紹介しながら、次世代スパコンなどを利用し、今後の津波減災への取組への課題や展望を議論したい。
[Keyword]東日本大震災、巨大津波、警報システム、次世代スパコン
[講演資料] 講演要旨(8/4版)   プレゼン資料(8/23版)
  
11:40-12:40
講演 50分
Q&A 10分
[講演2:固体地球]
地磁気シミュレーションとバーチャルリアリティ可視化
陰山 聡 (神戸大学) [プロフィール]
地球は巨大な発電機である。地球内部の液体金属が10億アンペアもの電流を自分自身で作り出している。コンパスの針が北をさすのは、その電流が(西向きの)リング状に流れているためである。我々は球領域内部でのMHD流体の時間発展を長時間積分することでこのリング状電流(とその逆転現象)を再現した。この計算のために考案したインヤン格子という独自の球面格子と、主に地球シミュレータを用いた大規模並列計算により見いだした興味深いMHD構造、そしてそれを解析するために導入したバーチャルリアリティ技術に基づく没入的3次元可視化手法について紹介する。
[Keyword]計算地球科学、計算機シミュレーション、データ可視化、バーチャルリアリティ可視化
[講演資料] 講演要旨(7/25版)   プレゼン資料(8/25版)
  
12:40-14:00 休憩、デモ展示
Session2 [司会] 朴 泰祐 (筑波大学)
14:00-15:00
講演 50分
Q&A 10分
[講演3:気象]
エクサスケール時代の気候モデル
富田 浩文 (理化学研究所) [プロフィール]
先日、理化学研究所の「京」コンピュータがLINPACK性能で世界一位を獲得した。93%という極めて高い実行効率である。これは「京」コンピュータの潜在能力を示す一つの事例であるが、一般のアプリケーションでここまでの性能を出すのはきわめて難しい。特に気候計算での力学過程で用いられるような格子点法の場合、メモリロードストア量に比べて、実際の計算量が相対的に少ないため、今のスカラーコンピュータは決してバランスの良いものではない。キャッシュの有効利用が一つのキーであるが、力学部分の高速化は根本的にメモリ性能できまるといってよい。一方、雲、放射などの物理過程は、メモリロードストアに対して力学部分よりははるかに計算量が多く、今後もこの傾向は続く。
エクサスケールの時代のコンピュータアーキテクチャは、いまだco-designの段階であるが、メニーコア時代が到来し、相対的なメモリ性能の悪化は避けられない。本講演では、「京」コンピュータ、ポストペタコンピュータ、エクサスケールと拡大するコンピュータ環境で、どのようなサイエンティフィックな課題に取り組めば最も効果的かを考察してみたい。
[Keyword]気候モデル、エクサスケールコンピューティング
[講演資料] 講演要旨(8/15版)   プレゼン資料(9/14版)
  
15:00-15:20 休憩、デモ展示
15:20-16:20
講演 50分
Q&A 10分
[講演4:地震]
構造物と都市の地震シミュレーション
堀 宗朗 (東京大学) [プロフィール]
地震災害の軽減の第一歩は被害予測である。大規模数値計算を利用したシミュレーションは、合理的な被害予測の手法として期待されている。重要構造物のシミュレーションでは、1,000万超の自由度を持つモデルで揺れや損傷・崩壊過程を解析する。都市の地震シミュレーションでは、建物群から構成される都市モデルを構築し、都市全体が揺れる過程を解析する。本講演では、この地震シミュレーションの現状と展望を概説する。
[Keyword]有限要素法、並列計算、都市モデル、マルチエージェントシミュレーション
[講演資料] 講演要旨(8/2版)   プレゼン資料(8/25版)
  
16:20-17:20
講演 50分
Q&A 10分
[講演5]
次世代スパコン『京』について
追永勇次 (富士通株式会社) [プロフィール]
次世代スパコン「京」について、ハードウェア、ソフトウェアの概要、および性能について紹介する。「京」では、100万コアクラスの超並列計算を効率良く実現するため、並列計算モデルからノード間同期、データ転送、OS、並列ファイルシステム、ソフトウェア開発ツールに至るまで一新した。本発表では、「京」システムで採用した超並列技術について紹介し、基礎的な性能評価結果について議論する。
[Keyword]次世代スパコン、スーパーコンピュータ『京』、SPARC64 VIIIfx、HPC-ACE、Tofuインターコネクト、性能評価
[講演資料] 講演要旨(9/2版)   プレゼン資料(10/26版)
  
17:20-17:25 [閉会あいさつ]
松尾 裕一 (宇宙航空研究開発機構)
17:25-17:45 休憩、デモ展示
17:45-19:00 懇親会(会費 \500)
お飲み物とおつまみの簡易パーティです。お気軽にご参加下さい。

※デモ展示 : スパコン「京」関連展示、 Magic Planet(地球儀型ディスプレイ)

SS研について

イベント情報

研究会活動

資料アーカイブ

情報発信

リンク集




鍵マークがついている情報の閲覧にはWebサイトIDが必要です。登録/変更ページへ
Webサイト閲覧時にIDが必要なページには、鍵マークが付いています(当CD-ROM内では不要)。
コンテンツの最新/詳細情報は、SS研Webサイトをご覧下さい。
All Rights Reserved, Copyright© サイエンティフィック・システム研究会 1996-2024