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SS研HPCフォーラム2010    [実施済] [アンケート結果]

e-サイエンスのフロンティア  印刷用ご案内

日時 2010年8月26日(木) 分科会 10:30-17:25(受付9:45-)/懇親会 17:45-19:00
場所 汐留シティセンター 24階 富士通株式会社 大会議室
(〒105-7123 東京都港区東新橋1-5-2)
参加対象 SS研会員に限らず どなたでもご参加いただける オープンイベントです。
定員 200名予定
参加費 分科会:無料 / 懇親会:\500 (当日お支払い)
その他 服装は、クールビズをお勧めします(室温28℃)

開催趣旨

 近年、ナノサイエンス・材料、ライフサイエンス、気象・防災、環境・エネルギー、原子力、航空・宇宙などにおける大規模科学技術計算ニーズが飛躍的に増大するとともに、民間企業においても開発コスト削減、生産性向上を目的としたシミュレーション・解析の実用化が進展し、次世代スーパーコンピュータグランドチャレンジ・アプリケーション/戦略機関等に代表される各分野においてペタスケールシステムの利用を見越したアプリケーション開発が加速しています。一方、汎用スーパーコンピュータ、あるいは、それとグラフィックプロセッサを組み合わせた複合環境をベースとするペタスケールシステムの運用も始まりつつあり、ペタスケール計算を本格的に活用する時代を迎えつつあります。
 このような背景を踏まえ、今回のフォーラムでは「eサイエンスのフロンティア」をテーマに、次世代スーパーコンピュータグランドチャレンジ・アプリケーションの研究の最前線を、ライフサイエンスに関しては理化学研究所の姫野先生より、ナノサイエンスに関しては分子科学研究所の吉田先生よりご紹介いただきます。また、統計数理研究所の樋口先生からは、ペタスケールシミュレーションによる現象予測において重要なデータ同化についてご講演いただきます。海外招待講演では、オックスフォード大学のAnne Trefethen先生よりeサイエンスのためのエコシステム構築に関して欧州におけるHPCの取り組みをご紹介いただきます。以上のご講演を通じ、ペタスケールアプリケーションとそれを支える基盤技術の現状と将来の方向性についてみなさまと活発な討論ができればと存じます。

プログラム(敬称略)  ※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

9:45- 受付
Session1 [司会] 三浦 謙一 (国立情報学研究所)
10:30-10:35 [会長あいさつ]
村上 和彰 (九州大学情報基盤研究開発センター)
10:35-11:40
紹介 5分
講演 50分
Q&A 10分
[講演1] 海外招待講演「Extreme Computing: Challenges, Constraints and Opportunities」
Oxford University Prof. Anne Trefethen [プロフィール]
Scientific applications require an ecosystem of computational infrastructure that can allow distributed collaboration and computation, large-scale simulation and analysis and appropriate consideration of data driven science. The ecosystem requires the integration of high-performance computing, in some cases to the exascale, cloud computing, databases, high bandwidth networks and the software and people infrastructure that enables the effective use of the components.
In this presentation we will consider some of the challenges and constraints that drive the development of the computational infrastructure and its components - including computational models, energy and knowhow; and the opportunities that are presented, in terms of new science applications and new algorithmic approaches. We will make the issue of energy efficiency a particular focus.
[Keyword]Exascale, extreme computing, energy efficiency
[講演資料]論文(8/19版;最終版) プレゼン資料(8/26版;最終版)
   講演後Q&A

※講演は英語です。(通訳なし)

11:40-12:40
講演 50分
Q&A 10分
[講演2] 「HPCとともに進化する大規模データ同化」
統計数理研究所 樋口 知之 [プロフィール]
複雑な現象の高精度予測のために、時空間観測・計測データの解析と数値シミュレーション計算を統合することにより、シミュレーションの初期値や境界値、パラメータ等を実際の現象をなるべく再現するように決め、時にはシミュレーションモデル自体にも手を加える(リモデリング)一連の計算作業がデータ同化と呼ばれるものである。データ同化は逐次型と非逐次型に大別されるが、我々データ同化研究グループはアンサンブルベースの逐次型の研究に力を注いでいる。大規模なデータ同化の実現においても、計算効率を高めるためにHPCのハード特性を最初から意識した手法の開発が肝要となる。本講演では、データ同化の概念と基本的なアルゴリズムを概説するとともに、次世代スーパーコンピュータ等のHPCの階層性とネットワーク構造を十分意識した逐次データ同化の研究開発の現況を紹介する。
[Keyword]データ同化、融合シミュレーション、アンサンブル予測、粒子フィルタ
[講演資料] 講演要旨(8/3版;最終版) プレゼン資料(8/26版;最終版)
   講演後Q&A
12:40-12:50 デモ展示紹介
12:50-14:20 休憩(90分)
Session2 [司会] 井戸村 泰宏 (日本原子力研究開発機構)
14:20-15:20
講演 50分
Q&A 10分
[講演3] 「10PetaFLOPSは生命科学で何を実現できるか」
    -次世代スパコン グランドチャレンジアプリケーション報告(ライフ)-
理化学研究所 姫野 龍太郎 [プロフィール]
次世代スーパーコンピュータは来年度から部分的に稼働が始まり、再来年度には全システムの稼働が予定されている。この稼働に合わせて、生命科学分野でのグランドチャレンジが2006年秋から理研を中心にして行われている。次世代生命体統合シミュレーション研究開発プロジェクト(ISLiM)と名付けられたこの挑戦はいよいよ佳境に入る。このプロジェクトはペタスケールのシミュレーション技術によって、ライフサイエンスの定量的解明にブレークスルーをもたらす仮説-検証型の新たな研究手段を提供し、計算科学により生命現象を定量的かつ統合的に理解・予測・解明することを目指すと共に、創薬・ヘルスサイエンスサイエンスへの貢献、新規医療技術の実用化を図るものである。この実現のため、分子・細胞・臓器全身という 3つの階層に分かれた研究チームと、大量の実験データから法則に迫るデータ解析融合チーム、更に脳神経系チーム、全てのチームを支えるHPCチームの 6チームで取り組んでいる。これらのチームで現在開発中のソフトウェアは量子化学や分子動力学から構造流体連成計算、脳の局所回路モデル、可視化ソフトウェア、並列化のためのミドルウェアなど、合計34本にのぼる。これまでの開発で、並列化に関して 1,024を超えるところまでテストが終わったものが18本、8,000並列までのテストが終わったものは 9本という状況である。今後は次世代スーパーコンピュータでの実効性能と実行時間の予測を行い、どの程度のモデルでどのくらいの計算をするかを検討してゆく予定である。
[Keyword] スーパーコンピュータ、生命科学、シミュレーション、分子、細胞、臓器、全身、脳神経系、マルチスケール
[講演資料] 講演要旨(8/26版;最終版) プレゼン資料(8/26版;最終版)
   講演後Q&A
15:20-15:40 休憩、デモ展示
15:40-16:40
講演 50分
Q&A 10分
[講演4] 「"計算科学"と"計算機科学"の連携による統計力学理論の超高並列化への挑戦」
    -次世代スパコン グランドチャレンジアプリケーション報告(ナノ)-
分子科学研究所 吉田 紀生 [プロフィール]
次世代スパコンの稼働が近づき、これまでにない"現実の系"の計算ができる時代が到来しつつある。次世代ナノ統合拠点では、次世代スパコンの性能を最大限に引き出し、これらの"現実の系"に応用できる、計算科学理論・方法論の確立と、それらに基づくソフトウェアの開発を行ってきた。とくに、3つのグランドチャレンジ課題(次世代ナノ情報機能・材料、次世代ナノ生体物質、次世代エネルギー)を達成するべく、6つの中核アプリケーション(実空間第一原理ナノ物質シミュレーター、動的密度行列繰り込み群法、大規模並列量子モンテカルロ法、高並列汎用分子動力学シミュレーションソフト、RISM/3D-RISM、高速量子化学計算ソフト)を設定し、理論・計算科学と計算機科学の連携のもと、次世代スパコンにおける高並列化、高効率化を行ってきた。本講演では、中核アプリケーションの一つであるRISM/3D-RISMの開発を例に、理論・計算科学と計算機科学の連携によるアプリケーションの高度化の現状と、いくつかの応用例を紹介する。
[Keyword]スーパーコンピューター、ナノサイエンス、RISM理論、3D-FFT
[講演資料]講演要旨(7/30版;最終版) プレゼン資料(8/10版;最終版)
   講演後Q&A
16:40-17:20
講演 30分
Q&A 10分
[講演5] 「富士通のHPCへの取り組み」
富士通(株) 井上愛一郎 [プロフィール]
富士通のHPCへの取り組みとして、PCクラスタへの取り組みと、理化学研究所殿と共同開発している次世代スーパーコンピュータについて紹介する。
[Keyword]PCクラスタ、次世代スパコン、消費電力、実装密度、システムコスト
[講演資料] プレゼン資料(8/26版;最終版)
   講演後Q&A
17:20-17:25 [閉会あいさつ]
松尾 裕一 (宇宙航空研究開発機構)
17:25-17:45 休憩、会場レイアウト変更
17:45-19:00 懇親会(会費 \500)
お飲み物とおつまみの簡易パーティです。お気軽にご参加下さい。

※デモ展示:京速コンピュータ「京」、PCクラスタ(PRIMERGY BX900)

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