近年、ナノサイエンス・材料、ライフサイエンス、気象・防災、環境・エネルギー、原子力、航空・宇宙などにおける大規模科学技術計算ニーズが飛躍的に増大するとともに、民間企業等においても開発のコストの削減、リードタイム短縮を目的としたシミュレーション・解析の実用化が進展し、本格的にペタフロップス級の処理性能を必要とする時代を迎えつつある。しかし、ペタスケール計算機を実用に供するためには、プロセッサやシステム技術だけでなく、並列プログラミングやチューニング、ファイルシステム、ミドルウェア、大規模データのプリポスト処理技術においても、一段のスケールアップや従来以上のブレークスルーが必要となる。 これらの状況を踏まえ、2009年度は、SS研HPCフォーラムおよび科学技術計算分科会を通して、ペタスケール時代のアプリケーションのあり方、大規模並列プログラミング技術や開発環境について重点的に議論を行っていく。また、現在進められているペタ級プロジェクトや起こりつつある革新を視野に、議論を通じて現状の課題解決や将来の方向性について検討する。