−司会− 航空宇宙技術研究所 福田正大
- 【司会】
- ハード、ソフト両方のご講演に対し、質疑応答、コメントがありましたらお受けしたいと思います。
- 【中村】(航空宇宙技術研究所)
- ソフトに対し、いくつか質問があります。まず、ノード内のプロセス間でメモリが共有できるというスライドがありましたが、本当にできるのですか。
- 【青木】(発表者:富士通(株)ソフトウェア事業本部ミドルウェア事業部)
- 共用できると言いましたのは、そこを使うというイメージです。プロセス間ではメモリは見えません。
- 【中村】
- 分かりました。では、次のスライドのスレッドセーフの意味が良くわからないのですが、簡単に説明してください。
- 【青木】
- ループ中にコール文がありますと、リカーシーブルコールが可能でなければ、並列化できないわけです。ローカルなデータなら、スレッド・ローカルでなければ、並列化、実行結果が保証できないので、リカーシブル可能な構造データにすることです。ですから、例えば、ローカルデータはスタック上に割り付けるとか、そのようなことです。
- 【中村】
- それから、次のスライドで、SMPノード内で共有メモリ通信で強化したとおっしゃったのですが、どんなふうにされたのですか。
- 【大橋】((株)富士通静岡エンジニアリング 第五開発統括部第二開発部)
- MPIの開発を担当している大橋と申します。今、この場で具体的に説明することはできませんが、簡単に言うと、従来の方法ではメモリコピーを使っていましたが、これでは性能が出ませんので、メモリコピーを使わない方法を考えて試しています。例えば、データの大きさに応じて最適な方法を選択できるような仕組を作っています。現在、作っている最中ですので、今はあまり詳しいことをお話できませんが、そのあたりのお話や性能面で効果が現れましたら、別途、中村先生にもご紹介したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
- 【司会】
- 皆さんも知りたいと思いますので、個別ではなく、合同分科会の際にでもお願いします。
さて、ハードのことで聞きたいのですが、GPのSPARCが300メガヘルツで、SPECfpが30.5ですが、450メガヘルツで37.1と、クロックが5割も速くなっているのに、SPECfpが全然上がっていないというのは、何か理由、設計思想的な背景があるのですか。- 【酒井】(発表者:富士通(株)コンピュータ事業本部ビジネス統括部)
- 鋭いご指摘でございまして、SPECfp性能になりますと、メモリ性能が、結構効くのです。つまりプロセッサのクロックが上がっても、メモリのすることは、基本的には変わりはございませんので、そこがボトルネックになりまして、クロック程上がらないというのが実態でございます。
- 【司会】
- ロードマップでは、例えば、メモリ性能の方も上げているとお聞きしましたが。
- 【酒井】
- 今日はあまりご報告できなかったのですが、次世代のサーバのプラットフォームで、メモリ性能を大幅に強化します。
- 【司会】
- それでは時間になりましたので終わらせていただきます。酒井さん、青木さんどうもありがとうございました。(拍手)
- Q:高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所 三科 淳
- ロードマップは開発を開始しているという意味なのでしょうか。提供を開始しているということなのでしょうか。
- A:富士通(株)コンピュータ事業本部ビジネス統括部 酒井利弘
- ロードマップに出ている時期は提供開始の時期です。