(5/6)5. 結論
(1)NWTとVPP5000の比較
@)記憶容量(メモリー)(2)乱流のDNS
- VPP5000では、1PE当たりのメモリー量が大きくなり、単CPUまたは低い並列度での計算が可能となった。
A)計算速度
- シングルPE使用時は、VPP5000はNWTの計算速度に対して、十分良好な結果を得た。
- 並列PE使用時では、VPP5000はシングルPEの性能から期待される計算速度に必ずしも十分には達しなかった。
- ELAPS TimeとCPU Timeの差が大きい結果を得た。これは、本研究で使用している計算プログラムには、並列計算の際、多数の大量なデータ転送があるため、大規模な計算を行った場合に影響が顕著に現れるためである。今後、並列化等プログラムの検討をする余地がある。
@)現状
- 乱流のDNSが始まってから既に20年以上経ち、歴史及び経験が蓄積されつつある。
- 計算の規模は、常にスーパーコンピュータの発展と共に歩んできており、実際的な規模の乱流のDNSが、可能な範囲に入ってきた。
A)我国における状況
- 計算規模の面等、現在世界をリードする状況である。
- ベクトルコンピュータという優れたハードを多数所有し、このコンピュータに適したプログラム等のソフトの面も充実してきている。
B)今後の展望
- より現実に近い複雑な流れの解析の実用化と一般化が望まれる。
- 既存のベクトルプログラムの資産を発展、継承することが重要である。