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平成11年度科学技術計算分科会 第1回会合


テーマ:VPPシステムにおける先端の運用管理と並列技術


【開催趣旨】
 会員所属機関では長年に亘り数多くのVPP システムが設置され、その時代時代のシステムにおける運用・利用技術が蓄積されてきた。
 本分科会では、これらの技術のなかで、特に大規模システムの運用経験及び並列プログラミングによる大規模計算の利用経験、および最新のベクトル機の運用事例の報告を受け、会員相互間の情報交換、問題解決を図る事を目指している。
 さらに上記観点を踏まえ、富士通から新ベクトル機VPP800/VPP5000について報告を受け、議論を深めたい。





1.日  時: 平成11年8月20日 (金) 10:00 〜 16:30

                   [受付:9:30〜]



         システム技術分科会と連続開催 (8月19日)


2.場  所: 富士通(株) 情報処理システムラボラトリ B棟11階 大研修室         〔所在地〕東京都大田区新蒲田1-17-25         〔電 話〕03−3730−3185
3.企画委員:  金澤正憲(京都大学大型計算機センター)          福田正大(航空宇宙技術研究所)          渡部善隆(九州大学大型計算機センター)          石川 正(高エネルギー加速器研究機構計算科学センター)          奥田 基(富士通(株)システム本部計算科学技術センター)          大空 瞭(富士通(株)ソフトウェア事業本部HPCソフトウェア統括部)          野村一成(富士通(株)システム本部第三システム事業部)          高津 進(富士通(株)システム本部科学システム統括部)
4.検討内容:                          (敬称略)
                   −司会− 渡部企画委員 (1) 開催趣旨             金澤企画委員    【10:00 〜 10:05】 (2) 大規模システムの運用(理化学研究所)         【10:05 〜 10:45】                    理化学研究所情報基盤研究部情報環境室 堀木 豪 ・概要  理化学研究所では平成11年2月ベクトル並列型スーパーコンピュータ富士通VPP700E/128を導 入、運用開始した。運用に当りユーザのあらゆるニーズに応えると共に高い利用効率を実現す るために、会話型ジョブによる並列処理、バッチ型ジョブによる巨大並列ジョブ、長時間利用 ジョブなどを導入している。また、ネットワークによる利用、24時間運用による終日利用でユ ーザの利用環境を高める努力をしている。以上についての具体例とこれまでの実績を報告する。
(3) 京都大学におけるVPP800の運用と性能評価/ 【10:45 〜 11:25】
                             京都大学大型計算機センター                    平野彰雄、植木徹、赤坂浩一、浅岡香枝、金澤正憲 ・概要
 平成11年3月に京都大学大型計算機センターに導入したVPP800について、運用状況を説明し、 問題点および解決法について報告する。さらに、演算性能に関して測定結果を報告する。
(4) フリーディスカッション                【11:25 〜 11:40】                < 昼食 >        【11:40 〜 13:00】 <デモ:VPP800/VPP5000向けのWS上言語開発環境のご紹介> 【12:00 〜 13:00】                            (株)富士通静岡エンジニアリング ・概要
 Sファミリ/SUN WS上のVPP向け言語開発環境である、VPP Workbench(Fortran,C,C++,HPF の統合開発環境)およびVPP MPTools(MPI等のメッセージパシングライブリ向け性能解析ツー ル)について、新機能紹介を交えて使い勝手の事例紹介をする。
                −司会−   石川企画委員 (5) 原研における原子力コード高速化への取り組みとプログラミング事例           【13:00 〜 13:40】              日本原子力研究所計算科学技術推進センター情報システム管理課                                  久米悦雄、根本俊行 ・概要
 日本原子力研究所計算科学技術推進センターでは、原研が保有する各種のスーパーコンピュ ータの効率的な運用とコンピュータ資源の有効利用を促進するため、計算需要が多く計算機資 源をより多く必要とする原子力コードを、ユーザに代わってスーパーコンピュータ上に整備し 、それぞれのコードに最適な高速化を施す作業を実施している。  本会合では、このうちVPP500及びVPP300における高速化作業への取り組みについて報告する 。これら高速化作業は年間約15件ほど実施しており、ここ数年の成果(実績)概要を中心に プログラミングの具体例を交えて紹介する。
(6) 計算物性物理におけるパラレルコンピューティング/                        【13:40 〜 14:20】                             東京大学物性研究所 藤堂眞治 ・概要
 平成6年度に東京大学物性研究所に導入されたVPP500/40では、年間100以上の全国共同利用 プロジェクトを通じて、全国の物性物理研究者により種々の計算手法の開発および大規模な応 用計算が遂行されている。  計算物性物理における計算手法は、第一原理電子状態計算、数値的対角化法、モンテカルロ 法、分子動力学法など多岐にわたるが、ここでは古典スピン模型の自由エネルギーの計算に使 われる「転送行列の厳密対角化法」と量子スピン模型の種々の物理量を確率的に求める「量子 モンテカルロ法」を取り上げ、我々が実際に行なった並列化についてその手法を具体的に紹介 し、VPP500での性能評価、他機種との性能比較の結果を報告する。
               < 休憩 >        【14:20 〜 14:35】
                −司会−   福田企画委員 (7) VPP800/VPP5000報告                 【14:35 〜 15:55】 1) VPP800/VPP5000 ハードウェアについて/                    富士通(株)コンピュータ事業本部HPC開発統括部                                       田村秀夫 ・概要  VPP800およびVPP5000シリーズのハードウェアについて、ベクトル/スカラ/メモリの実行 性能向上を狙った強化ポイントを中心に、64ビットアーキテクチャーによる大規模処理への対 応、および新規にサポートする高速ネットワーク/ディスク装置について報告する。また、VP P800/5000シリーズで採用したLSI/実装テクノロジを報告する。
2) VPP800/VPP5000 OS機能について/           富士通(株)ソフトウェア事業本部HPCソフトウェア統括部第一開発部                                       木村治夫 ・概要  VPP800/5000シリーズのOSであるUXP/V V20 は64ビットアドレスを採用し、大容量・高速化 と運用機能強化による柔軟性や使い易さの向上を目指したものである。UXP/V V20 で新規にサ ポートされる機能の中から、新ファイルシステムやジョブスケジューリング機能の強化などに ついて報告する。
3) VPP800/VPP5000 言語処理系について/           富士通(株)ソフトウェア事業本部HPCソフトウェア統括部第二開発部                                       大和田明 ・概要  VPP800/5000 シリーズの言語処理系(Fortran、C、C++、および関連するライブ ラリ/言語開発環境)について、より一層の高速化の追求、多様なプログラミングスタイルへ の対応および使い易さの向上を狙いとした、全般的な取組み内容と特徴的な新機能について報 告する。
4) VPP800/VPP5000 利用技術について/              富士通(株)システム本部計算科学技術センターHPCシステム部                                       森重博司 ・概要  高性能HPCサーバ VPP800/5000の利用により、R&D分野における各種ソリューシュンの実現が 可能である。利用技術という観点で、統合センタサーバ/CAEソリューション、ISVアプリケー ション、PROPOSEサービスについて報告する。なお、ISVアプリケーションに関しては、性能事 例も合わせて報告する。
(8) フリーディスカッション                【15:55 〜 16:25】 (9) まとめ              金澤企画委員    【16:25 〜 16:30】                                     以 上


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