従来の講義と試験を中心とした知識伝達型の授業から、能動的学習、反転授業、ピアインストラクションなどを活用した授業へと、教育観や教育手法が転換しつつある。これらの新しい教育に適し、効率的で効果的な授業実施を支えるためには、ICTを活用して学習者のみならず教授者をも効果的に支えることが求められる。
大学教育でのICTの利用においてLMS(学習管理システム)はかなり普及してきており、その活用が期待される。しかしながら、その内訳としては資料配布などでの利用に留まることも少なくない。LMSを活用する上での課題としては、能動的学習などでの学生の活動プロセスの支援、学習成果のアセスメント、多くの受講生と対峙する教員のLMSの利用効率の向上などが挙げられる。
このような背景の中、教育環境分科会では、年間のテーマを「学習者と教授者を支える教育環境」とし、夏のSS研教育環境フォーラム2017のサブテーマを「LMSの今後を考える」として、能動的な学習スキルの育成のためのLMSや学習成果の評価方法などを取り上げる。秋の2017年度会合では、初等中等教育での実施も予定されているプログラミングの教育について、そのための教育環境をサブテーマとして実施してゆく。本分科会では、教職員やSE、営業職に加え、学習の主体者でもある学生の参加を積極的に呼びかけて行く。