富士通株式会社 経営執行役社長 秋草 直之
富士通の秋草でございます。 ただいま、永安会長から非常にすばらしいスピーチを頂きありがとうございました。 本当にSS研の皆様には日頃から私どもの製品あるいは、サービス等々、ご愛顧いただき、 改めて御礼申し上げます。
先ほどノーベル賞の話がございましたが、実は田中さんは、 「使っているのは富士通のサーバだよ」とおっしゃっておりました。 小柴さんはご存知の通り、 スーパーカミオカンデで富士通のスーパーコンピュータを長い間お使い頂いております。 お二人とも、SS研グループだと思っておりまして、 そういう意味では私共も若干ノーベル賞に貢献したのではないかと思っております。 これからの科学技術世界は、ITあるいは、 コンピュータがより貢献できると思っています。 そのための環境作り、技術的な環境作り、あるいは、技術開発をもっともっと、 やっていくべきだと思っております。
非常に世の中が全体的に、経済・政治すべてについて閉塞感が漂っておりますので、 経営者もみんな黙っています。儲かっている会社はよくしゃべります。 何か言うとメディアが騒ぎます。 元気なのはメディアだけというのは、健全な状態ではないと思っています。
しかしながら、技術の世界というのは、先ほどお話がありましたように、 着実に進歩しており、日本らしく、世界のいい所を目指していると思っています。 ITの技術も決して負けていない、 通信のいろんなプロトコルも負けていないと思っています。 特に、欧米の会社はこういう時期になると研究開発をやめてしまう、というより、 人がいなくなってしまいます。 先日ルーセントに行った人の話を聞きましたら、 本当に閑散としていて、もうみんな新しい研究開発をやめてるそうです。 たぶん、他もそうだと思っています。
しかし、日本の会社は、のんびりしているのかどうか分かりませんが、 私どもも相変わらず、研究所で、悠々と、と言うと語弊がありますが、 割と潤沢な形で研究開発をやっておりまして、 今、日本がチャンスであると思っております。 ある意味では日本が本当にこの世界、もちろんITも含めて、やはり、 科学立国あるいは、より創造的な形にするというチャンスではないかと、 前向きに考えています。
特にSS研の皆様方には、そういうところで私も非常にお世話になっていまして、 いろいろなご要望あるいは提案を頂きまして、 それを私どもが積極的に取り入れていくということが非常に必要だと、 ますます感じている次第でございます。 ぜひとも、引き続きよろしくお願い致します。
さきほど、司会が話しましたように新体制で非常に若返りました。私以外は。 ある意味では、ニュージェネレーションという感じです。 また、本社機能も汐留集結しました。 特に公共関係、皆様を担当させていただいている営業は、 昭和47年以来九段におりまして、何か、アナザーワールドという感じだったのですが、 強引に九段から汐留に移し頑張ってもらいたいと思っています。 また、もう少しテンポ早く皆様をサポートできるのではないかと、期待しています。 営業にもプレッシャーかけ、いろいろ変えていきますので、よろしくお願いいたします。 また、今日は欠席していますが、社長に黒川が就任いたします。 黒川もソフトの出身でございまして、 プラットフォームの代表の前山もソフトでございます。 どちらかと申しますと、富士通のハードをソフトで、どのようにして、 ソフト・セントリックな形を作っていくかと、 いうことの方向を示したつもりでございます。 ますます、ハードと一緒にソフトが重要となってくるわけでございまして、 ある意味では、もっともっとソフトが頑張る必要があると思っています。
科学技術関係は日本は弱いと言われています。 ある自動車会社の設計技術者は、CADはCATIAを使っていて、 それ以上のことはできないと、言っておりました。 日本の自動車会社はすでにそれ以上の機能を要求しており、金型とかもすべてそうです。 それを使っている限り、外部を追い抜けないと、いうことです。 日本のCADを作らなくてはいけない、 もっと頑張らなくてはいけないという話を聞きました。 多分、他の産業でもそういうことがおきていると、思っています。 もっともっと利用技術を我々が努力しないといけないと思っています。 今後とも、いろいろと努力していますので、引き続きよろしくお願い致します。 長くなりましたが、本当に今日はありがとうございました。 (拍手)