航空宇宙技術研究所 永安 正彦
本日はSS研の総会を無事終了することができました。 ご協力どうもありがとうございました。 これでこれから1年間のSS研の活動を始めることが出来ます。 これも金澤副会長をはじめ、幹事、会員の皆様の日常のご活動の賜物と思っております。 ここで改めて感謝申し上げます。
また今日ご報告頂いた松澤先生、姫野さん、横山さん、どうもありがとうございました。 今日の準備をしていただきました事務局の方々にも、 この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
世の中全般を見渡しますと、言い古されたことですが、 9.11以来いろいろと世界中騒がしいことがありまして、今回イラクの問題もありました。 そういうものを通して世界中の意見が分かれたりして、 なかなか見通しのつかない状況が生まれてきております。 日本の周りでも非常に政治的な緊張も出ておりますし、 SARSの蔓延などで国民のなかにもいろいろ不安が出てきておるところかと思います。
日本の国内でも経済が相変わらずデフレから脱却できず、聞くところによりますと、 1400兆とか1500兆円分も資産が減少し、 日本のGDPの3年分がなくなってきているということです。 最近の新聞を見ますと、株価の値下がりとともに、 残念ながら政府の評判も合わせて落ちているということで、 困ったことだと思っております。
ただ、こういう中でも時々いいこともあります。最近のヒットのひとつは、 やはりノーベル賞のダブル受賞が1つ明るい話題としてあると思います。 小柴先生と田中耕一さんが受賞され、特に田中耕一さんは癒し系と言われておりますが、 たしかにテレビを拝見しますと、心が休まるというかほのぼのとして、 ほっとするようなところがございます。 こういう一服の清涼剤も、非常にうれしい感じが致します。 また田中さんは企業のエンジニアであり、 今までの日本からみると珍しいと思うのですが、 これが産業活性化という観点からみると、 若い企業のエンジニアにこれから希望をもってやって頂けるんじゃないかなと思います。 富士通のエンジニアも将来ノーベル賞が出るかもしれません。 ぜひノーベル賞を出して頂きたいと社長さんにお願いしたいと思います。
一方、ITの分野ではいろいろと政策も進んで、e-Japanをベースにしまして、 電子政府やe-Businessとかがどんどん進んでいると思います。 経済産業省の見通しですと、ネットワーク関連の市場は今50兆円位なのが、 10年後には170兆円になるという、非常に景気のよい話が最近新聞に載っておりました。 それから昨日の新聞に、世界電子通信連合の調査で、 日本のブロードバンドの料金と速度を含めた総合評価が、 韓国に大きな差を開けて世界一になったと載っておりました。 情報インフラは日本が追いつき追い越すところまできました。 そういう中で、これからはコンテンツをどうしていくかということが、 多分大事な仕事になるんだろうと思います。
それからこれも最近の記事に載っておりましたが、 次世代ネットワークの接続ソフトとして、富士通さんも入って日本の企業連合が、 将来の世界的なデファクトスタンダードを作るということで取組んでおられるようで、 非常にこれから希望を持って、将来が見れるのではないかと楽しみにしております。
翻ってSS研の活動を見ますと、今日も報告がありましたが、PCクラスタ、SMPクラスタ、 GRID、ネットワークセキュリティ、無線LAN、e-learning、 大規模ストレージマネージメントというように、 14年度は多岐に渡って活動してきまして、 その成果がかなり蓄積されてきていると思います。 そして成果は、 ホームページやNewsLetterで外部にも発信できるようになってきております。 これは会員の皆様の活動のお陰と思っています。 それから特にHPCミーティングでは、 SS研の会員以外の方にも参加頂いてオープンに議論ができる、 そういう場も作って頂けるようになってきております。 最近、競争的資金というものが、特に政府等で用意されていますから、これから先は、 このような会員の活動の成果を、そういうところに提案して、 研究資金を獲得していくことにもつながって行けばと考えております。
このように、SS研の皆様の活動に基づいて発展してきているところですが、 これもひとえに富士通の皆様方の日頃のご支援の賜物と思って、 改めてここで感謝申し上げたいと思います。 また近々新体制で攻勢に転じていかれるものと側聞しております。 ぜひ、ナノテクITというような分野でも世界の最先端を切って、 技術開発を進めていって頂きたいとお願いしたいと思います。
本日は、SS研が、今年の活動で、更に大きく羽ばたくことを確信致しまして、 ご挨拶に代えさせて頂きたいと思います。どうも、ありがとうございました。 (拍手)