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富士通代表挨拶


富士通株式会社 代表取締役社長 秋草直之

富士通の秋草でございます。

先ほど、本年度の総会が無事滞りなく終了したということをお聞きしました。心からお 祝い申し上げます。

SS研の会員の皆様方には、日頃から私どものハードウェア製品やソフトウェア製品など、いろいろなものをお使いいただき、心から御礼申し上げます。引き続き、ご指導、ご支援をよろしくお願いいたします。

先ほどご案内されましたように、渡瀬先生がSS研会長を3年間務められ、今回退任されることになりました。渡瀬先生は、「SS研の活動成果をもっと目に見える形にしましょう」ということと、「SS研の活動から技術の潮流をもっと創生しましょう」ということをキャッチフレーズに、SS研のためにご尽力いただきました。本当にありがとうございました。富士通を代表しまして、心から御礼申し上げます。

また、今回新しく会長に選任されました航空宇宙技術研究所の永安先生、よろしくお願いいたします。是非とも、私どもに対しても厳しくご指導していただけれはありがたいと思います。

SS研の幹事として長年ご活躍され、いろいろな面でご指導いただきました京都大学の金澤先生が副会長になられるとのこと、引き続きよろしくお願いしたいと思います。新任の幹事に選任されました防災科学技術研究所の佐藤先生、よろしくお願いします。また、今回退任されます大阪教育大学の谷口先生、関西大学の土田先生、ありがとうございました。特に谷口先生には6年間に亘り、幹事をしていただきまして、ありがたく御礼申し上げます。

ところで、最近、メディアでは、私どものIT業界が景気の足を引っ張る悪者のように扱われていますが、私は非常に心外でございます。心外とは言い過ぎかもしれませんが、日本のような状況は、アメリカやヨーロッパも同じわけでございます。何で、そうなってしまうのでしょうか。昨日、総理の下で開催されていますIT戦略会議がありました。ここでいつも私は言っているのですが、CPUのスピードがどんどん高速化され、今ではパソコンのスピードも1GHz以上は当たり前という時代となっています。通信速度も本日の特別報告の話にありましたように、新しい可能性を秘めています。すごい勢いで速くなっているのです。ファイルもそうですし、メモリも安くなっています。しかし、それを使う新しいアプリケーションが作られていません。要するに、テクノロジーがもの凄い勢いで進んでいるのに、使い方のブレークスルーができていないのではないかと思います。

非常に変な話ですが、私どものシステムインテグレーションも、制限された小さなハードでやるという文化ができてしまっているから、スタート時にはお客様に小さなシステムを提案し、ソフトで大変苦労して、結局最後の土壇場になってメモリを倍に増やしたり、CPUを2段階アップグレードしたり、DISKを増やしたりして、お客様の要件に適合したシステムに格好をつけることがあります。しかし、そうなるのはある意味で最初から分かっているのです。最初からドカンと大きなハードでやればいいのですが、それができないのです。お客様には申し訳ないのですが、もっとハードのキャパシティを潤沢に使って、新しくブレークスルーをするというような発想で、もっともっとハードにお金をつけて頂きたい。いろいろ政策面でも、そうあるべきだとIT戦略会議の場で申し上げたのです。

これは世界的な現象だと思っています。われわれ日本人には知恵があるわけでございまして、なんとかこの辺で、今までにない発想や、あるいは新しい高度なITの使い方を創生すべきだと思っております。特にSS研の皆様の分野では、その可能性が極めて高いと思いますし、ある意味ではまだまだ知恵が足りない分野でございまして、もっともっとやらなければいけないと思っています。政府の方も、日本の技術競争力を高めるため、ITとかバイオ、ナノテクといった科学技術に対しては相当な勢いで予算を付けています。新しい提案に対しては、諸官庁も従来にない柔軟な姿勢で対応してもらえると思っています。

SS研は今言った科学技術と非常に関係が深いわけでございまして、SS研活動の中から国家的プロジェクトが立ち上がればありがたいと思っています。また、いろいろなチャンスがあるのではないかと思ってます。是非とも富士通も大いにお手伝いさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。

いずれにせよ、SS研の皆様はいろいろな高度な使い方について、一番造詣が深く、その技術をお持ちですので、私ども富士通に対してご提案していただきたいと思います。私どもも一緒に考え、お客様には私どもとより良い関係を築いていただいて、日本のために、できれば富士通のためにも大いに頑張っていただければ、ありがたいと思っております。 よろしくお願いします。(拍手)


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