このたび、サイエンティフック・システム研究会(SS研)の会長を仰せつかりました金澤です。
歴代の会長の方々が築いてこられた、コンピュータ分野における先端的な利用技術の発展を目指すこの研究会に、微力ながら尽したいと思っております。昨年の9月、前会長の退任に伴い、会長代行を務めさせていただいておりました。その折に会員の皆さまからお寄せいただきましたご支援、ご協力を、引き続き賜りますようお願いいたします。
この10年ほどのコンピュータの進歩は目覚しいものでした。とりわけ、プロセッサの製造技術が秒進分歩で、1年に2回以上クロックアップされることも稀ではありませんでした。ディスクの大容量化、ネットワークの高速化も目を見張るものでした。ところが、利用技術は、パソコンとしての利用はともかく、大学や研究所における、大規模な科学技術計算や計算シミュレーション、ITによる研究教育の環境整備、情報ネットワークの斬新な環境整備などにおいて、利用技術・利用範囲がハードの進歩に少し置いてきぼりにされているのではと思うこともあります。先端科学技術からコンピューティングへの絶えない需要、研究教育からツールとしての進歩、ネットワークから高速性・アクセス性への要求など、総論としての未来は、初夏の青空に聳える高い山のようにはっきりと見えますが、実際にどのようなルートを辿ればその頂上に近づくか、明確でない点があるように感じられます。
直接、研究や教育に携わる人々へコンピュータ環境を提供するとともに、自分自身もサービスを受ける側でもある会員の皆さんが、分科会で、WGで、実際的・実用的観点から意見を交換し、新しい利用を確立していただきたいと思います。無論、これには、メーカーの方々のご協力が不可欠であることは言うまでもありません。
最後に、SS研が会員相互の発展に寄与できる研究会であってほしいと願っています。会員の皆さんの積極的なご協力を再度お願いいたします。