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会長挨拶

村上 和彰 (九州大学)

lecturer

おはようございます。本日はお暑い中、多数の皆様にご参加頂き、ありがとうございます。

毎年この時期に開催しておりますSS研恒例のHPCフォーラムでございますが、ホットな時期にホットな話題を提供する情報源ということで、HPCの分野におきましてはそれなりに評価を頂いているかと思います。

サイエンティフィック・システム研究会は、科学技術計算、教育環境、システム技術という3つの分科会を中心として日頃の活動を行っております。基本的にはSS研会員に閉じた活動でありますが、このHPCフォーラムはオープンイベントということで、広くHPC業界に関わっている皆様に情報を発信し、さらに議論の場を提供しているところでございます。

皆様ご承知の通り、わが国におきましては「京」の後継機を開発するということで、様々な取り組みが行われているところでございます。本日も、文科省におけるポスト「京」開発に関するワーキンググループの主査をされていらっしゃる小柳先生にもご出席頂いておりますので、色々なコメントを頂ければと思います。

そのWGでは、スーパーコンピューターを従来のセンターという建物の中に閉じたシステム、科学者や研究者だけの道具という位置付けではなく、わが国全体の社会的、パブリックなインフラと位置付け、その姿はどうあるべきかという議論が中心になされています。

従来でしたら絶対性能がどうであるとか、ベンチマークにおける世界ランキングがどうであるとか、あるいは、消費電力対性能比というコストパフォーマンスがどうであるとか、そういう議論に終始してきました。しかし現在では、パフォーマンスに関しては単なるFLOPSというような性能ではなくて、実際のアプリケーションを通してどのような価値や知見を我々あるいは社会、人類に与えてくれるのか、コストに関しても開発コストや消費電力だけではなく、これまでの開発してきた様々なプログラムの資産活用やオペレーションに要するコストなど、様々なコストを総合して判断するという、社会インフラ、公共インフラという観点から考えていく、そういう時代になってきたのかなと思います。

ですから、10年前と比べると、色々なメトリックス、評価指標を取り入れて、スーパーコンピューターというものを評価していかなければならない。そういう時代におきまして、本日のHPCフォーラムは、「Bridge to Exa」と題しましてエクサに向けての様々な取り組みの中で社会的価値という観点から議論する、アプリケーションの立場からどうあるべきかということを議論する、そういう場になるかと思います。

本日の講演は、Diesmann先生からはニューロサイエンスのお話、理研の富田さんと南さんからは実際的なアプリケーションとベンチマーキングに関するお話、梅谷さんからは産業界におけるスーパーコンピューターの位置付け、等々の様々な角度からお話し頂きます。最後に富士通の新庄さんからFX10の後継機について話題を提供して頂きます。

ご承知かと思いますが、先日のHot Chipsにおきまして、SPARC64 XI fxの紹介がございました。34コアという非常に多数のコアを搭載しているとか、メモリインターフェイスとしてはHybrid Memory Cube (HMC)というような新しいテクノロジーを使っていたりとか、話題に事欠かないのですけれども、そういったSPARC64 XI fxを搭載した新しいFXシリーズの新機種のご発表も今日あるのかなと期待をしているところでございます。

そういう期待を持ちながら、さきほども申しました今後の公共財としてのスーパーコンピューターを考えたときに、アプリケーション視点から我々はどういったメトリックスを持たなくてはならないのか、どういう視点で今後のスーパーコンピューターを開発していかなくてはならないのか、といったことについて本日議論できればと期待しております。

本日は一日よろしくお願い致します。

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