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会長挨拶

村上 和彰 (九州大学)

lecturer

おはようございます。本日は朝早くから多数お集まりいただき、どうもありがとうございます。先週までの猛暑が少し和らいでまいりまして、秋が近いのかなと感じさせる気候となってまいりました。

このHPCフォーラムは、SS研会員以外の方々にもオープンに参加していただけるイベントで、SS研イベントの中でも1、2を争う集客があるものでございます。
 SS研についてはご存知の方も多いと思いますが、簡単にご紹介させていただきます。今年で活動35年となる研究会で、富士通のユーザグループの中の狭い範囲での活動ではなく、わが国の科学技術や研究教育等に資する活動を推進している団体です。

現在、常設の「分科会」は3つございます。当HPCフォーラムを主催する「科学技術計算分科会」、「システム技術分科会」、「教育環境分科会」で、必ずしもHPCだけではなく、幅広い分野で活動しております。

「WG」という活動では、具体的で技術的なテーマにフォーカスし、期間とメンバを絞って研究を行っております。WGは、SS研会員に加え、その分野でアクティブに活動されている会員外の方々にもご参加いただき研究をすすめております。WG報告書は幅広い皆様の研究活動にお役立ていだくために、オープンでWebに掲載しております。
 HPC関連のWGとしまして、「エクサスケール数値計算ライブラリWG」は7月に活動を終えており近々報告書が出る予定です。本日ご案内をお配りしました「マルチコアクラスタ性能WG」は報告書が公開されております。現在は「ファイルシステム利用技術WG」が活動中でございます。

更に、最近のSS研では、「タスクフォース」という活動もございます。HPC関連では「日本の科学技術への貢献タスクフォース」が昨年まで活動しておりました。ここでは、現在議論が進められておりますポスト「京」やペタスケールに向けて、例えばアメリカや韓国で制定されているHPC法の日本での必要性を議論したり、文部科学省へパブリックコメントを提出するなどをしております。新しいタスクフォースとしまして「将来のHPC利用環境のグランドデザイン」が近々発足予定です。

ここにいらっしゃるSS研会員でない方は、ぜひ本日のHPCフォーラムを機会として、入会をご検討いただければ幸いでございます。

さて、文部科学省「科学技術・学術審議会」の下に「研究計画・評価分科会」があり、その下に「情報科学技術委員会」があります。ここで、文部科学省における情報科学技術関係の様々な施策についての計画・立案・評価を行っています。その下に「HPCI計画推進委員会」があり、慶応大学の土居先生が主査をされています。更にその下に「今後のHPCI計画推進のあり方に関する検討ワーキンググループ」というWGがあり、この主査が本日司会をされています小柳先生です。実質的にはこのWGで、今後のエクサスケールに向けた様々な検討を行っております。中間報告が6月に出ておりまして、パブリックコメントを求めたところでございます。この中間報告にしたがって、来年度の概算要求に向けて文科省が活動していると聞いております。

その活動の一環として、昨年と今年の2年間、文部科学省の国プロとして Feasibility Studyを行っています。これは「将来のHPCIシステムのあり方の調査研究」という事業です。4つの Feasibility Studyの中のアーキテクチャ関係の3つのチームからの報告が、本日午後のプログラム「エクサスケールに向けた Feasibility Study」となっております。本日は FSの最新情報をお聞かせいただけると思い、楽しみにしております。

 海外招待講演のSimon様からのご講演では、HPCのアメリカの状況をご紹介いただけるということで、非常に楽しみにしております。我々は「京」やエクサスケールでは CMOSテクノロジーに基づいた開発となっていますが、課題となる消費電力を下げるにはCMOSでは限界が見えてきている状況です。アメリカでは、IARPAが Cryogenic Computing Complexity (C3) Program という、低温でコンピューティングするという、デバイス技術そのものから改革するプロジェクトの公募を行っています。日本では、CRESTで新しい研究領域「情報デバイスの超低消費電力化や多機能化の実現に向けた,素材技術・デバイス技術・ナノシステム最適化技術等の融合による革新的基盤技術の創成」の提案公募が始まり、ビヨンドCMOSに向け、消費電力の壁をいかに打破するかという研究が始まったところです。

 こういう状況の中で、エクサスケールに向けてどういったことが課題になっているのかについて、皆さんと情報を共有し、更に最新情報で皆様の知識をアップデートしていただければと思います。本日は夕方までよろしくお付き合いください。(拍手)

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