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科学技術計算分科会「次世代HPCを支える基盤技術」

閉会あいさつ

  水本 好彦
(国立天文台データセンター)

本日の科学技術計算分科会は「次世代HPCを支える基盤技術」というテーマで、5つのご講演をいただきました。初めの3件が技術講演で、後半の2件がワーキンググループからの報告でした。

最後の福田様からの報告に、"利用者を甘やかしてはいけない"というスライドがありました。確かに利用者つまり我々は、この10年くらい甘えていた。どういうことかと言いますと、計算時間を速くしようとした時、何も苦労せずに、ハードウェアに任せてお金で解決できてしまった。あるいはお金もかけずに解決できてしまった。
そういうことから利用者が怠惰になってきて、それにあわせて企業も重要な部分での努力を怠ってきたのかもしれません。企業が怠けると長期的には業績が落ちてしまいます。その反省からか、本日の富士通からの講演では「富士通も本気を入れます」というメッセージがあったのではないかと思います。

また、金澤様の報告に、これからどういうふうに使っていくか、"使う技術"をちゃんとしていかなければいけないという指摘がありました。ハードウェアに任せておけばいい、という時代は終わりました。次のジャンプがあって、量子コンピュータなどが出てくれば別かもしれませんが、それはもう少し遠い将来でしょう。とすれば、これからの10年間を考えてみると、ハードウェアに合わせて"使う技術"を我々がきちんと考えていかなければならない、ということが本日の講演から見えてきたのではないかという個人的な感想を持ちました。そのあたりが、福田様の最後のスライドに全てあらわれていると思います。

本日は夕食の後に、紅葉の間で「並列技術のディスカッション 〜ユーザはどこまで書けばいいのか〜」という懇談会があります。甘えてはいけない、と言われてしまいましたが、ユーザはどこまで甘えられるのかというあたりの議論を2時間ほど行います。これは気軽なセッションですので、ぜひ皆さんご参加ください。
また、お手元にアンケート用紙がありますので、ぜひこちらもご記入ください。

あらためまして、本日の5人の講演者の方々、どうもありがとうございました。(拍手)


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