国立情報学研究所 所長 坂内 正夫
今、「科学技術分野の研究開発方法論の変革」と「国際大競争時代」が研究開発推進を考える上で不可欠の論点である。本講演では、我国の研究開発のインフラのインフラとして、大学/国立情報学研究所が連携して推進している「サイバーサイエンスインフラ」構築に向けての活動を紹介する。 先ず、スーパーコンピュータを含む次世代研究教育情報インフラの構築が「人と智慧」で生きていかざるを得ない我国にとって、死命を制する喫緊の課題であること、欧米においても同様な視点でのインフラ構築が推進されていることを紹介する。 次に、我国のサイバーサイエンスインフラ構想のレイヤー化したフレームワークと、その推進体制を述べる。更にネットワークレイヤー(国際ネットワークを含む)、連携ソフトウェアレイヤー、次世代コンテンツレイヤー等、主要要素についての現状とこれからの展開を示す。 連携ソフトウェアレイヤーの中での主要部としてのサイエンスグリッドについては、NIIをプラットフォームとして推進しているNAREGIプロジェクトについて、成果や次世代の研究開発、スーパーコンピューティングにおける重要性について事例に基づいて述べる。次世代コンテンツレイヤーについては、研究開発に不可欠なコンテンツ、データベースを明らかにし、「連携」をキーとした我国の学術コミュニティで推進中の「次世代コンテンツ基盤構築プロジェクト」を紹介する。
最先端学術情報基盤、次世代スパコン、最先端国際学術ネットワーク、グリッド、サイエンスデータベース