教材開発研究所 湯浅 聖記
インターネットを利用する人たちには、ルールとマナーの遵守が求められている。また手軽に情報を探索できる反面、未成年者であっても性のサイトや自殺ほう助のサイト、出会い系サイトなどに手軽にアクセスできる問題も含んでいる。また情報伝達のスピードも速く、メディアリテラシーという処理能力の向上が求められる。同時にメディアにアクセスする全ての利用者に、善悪の判断と情報の信憑性の判断が委ねられている。
情報倫理、メディアリテラシー、インターネット、ネットワーク社会
2.ネットワーク社会 インターネットは、携帯電話やテレビ、家電など多くの機器が接続できる。これによって現実社会とは別に、ネットワークによって新たなコミュニケーションの場が形成されるようになった。これが「ネットワーク社会」である。ネットワーク社会という言葉は、インターネットが身近になった20世紀後半に誕生した。 インターネットは、私たちに利便性という大きな利益を生んでくれた。たとえば銀行のATMシステムやオンラインショッピングがいつでも利用できるようなった。さらにさまざまな人とのコミュニケーションの場が誕生し、インターネットを情報検索のために活用することも多くなった。そして最近では音楽配信やオンラインゲーム、インターネットテレビなどマスメディアとの融合が進むなど、さまざまなチャネルを設けてくれている。 しかし、このチャネルが新たな問題の発生源となっている。インターネットショッピングや電子掲示板などでのネット詐欺や企業や公共団体からの個人情報漏えい事件、出会い系サイトに関する問題(児童買春や殺人事件)、そして自殺志願者をWebサイトなどで募り、集団で自殺を図るなど数多くの事件が毎日のように起きている。 インターネットを楽しく利用するためには、これらの事件や問題を対処する方法を正しく認知する必要がある。 3.ユビキタス環境 ユビキタス環境やユビキタス時代、ユビキタスネットワークなどという言葉がある。そもそもユビキタスとは、古いラテン語で「どこにでもある」という意味から来ている。このユビキタス環境とは、「いつでも」「どこでも」「なんでも」ネットワークに接続できるという環境のことを指す。 たとえば切符や航空券の予約、自動販売機でのジュース購入が携帯電話1つで決済可能になり、代金も自動的に銀行口座から引き落とされるというように、さまざまなものがインターネットに接続されている環境を意味する。また家電製品がネットワーク接続されるようになれば、帰宅前にお風呂やエアコン、炊飯器のスイッチを入れておくことも可能になる。このように身の回りに取り巻くものが、ネットワークと融合し相互に利用可能になる社会こそがユビキタス社会なのである。 4.ネットワーク社会のルールとマナー ネットワーク社会でも現実社会と同じく、ルールやマナーを守り、他人に迷惑をかける行為や不安がらせる行為は許されません。刑法や民法、不正アクセス禁止法、著作権法などにより法律面からもルール作りがなされている。同時にルールとマナーを守ることで、自分自身の安全確保にもなる。主なルールとマナーを挙げると下記のようなものがある。 誹謗中傷はしない。 プライバシーの侵害をしない。 わいせつ情報や法に触れる情報の掲示をしない。 無断で他人の著作物を使用しない。 差別表現、公序良俗に反するような情報を発信しない。 なりすましをしたり、他人のユーザIDでコンピュータにアクセスしたりしない。 5.インターネットの抱える問題 インターネットは公共のネットワークであるため、不特定多数の利用者が存在する。利用者にはクラッカー(ハッカー)と呼ばれる悪意をもった利用者も存在する。悪意を持った利用者は、不正にコンピュータに侵入して重要なデータを盗用・改ざん・破壊を行う可能性がある。下の図1は、平成17年総務省通信白書をもとに作成したデータである。 図1 情報セキュリティの被害状況(複数回答可) また、近年コンピュータウィルスが爆発的に増え、野放しにしたコンピュータは、数分でコンピュータウィルスに感染する。このような危険性を「システムの脅威」と呼ぶ。 システムの脅威には、天災とハードウェアの故障、セキュリティ侵害など存在する。特にインターネットの利用者においては、セキュリティの侵害について、存在と対策を知っておく必要がある。 6.メディア・リテラシー メディア・リテラシーとは、「メディア」と「リテラシー」の2つの言葉からできている。「メディア」とは、新聞や雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットなどの媒体のことを意味する。そして「リテラシー」とは、「読み取る能力」と「書く能力」の2つを指す。 つまり、メディア・リテラシーとは、インターネットや新聞、ラジオなどのメディアから情報を読み取り、必要に応じて情報を発信できる能力を意味する。これらの能力は、インターネットや新聞などのメディア上にあるデータから信憑性が高く、信頼性のある「情報」を探し出す力のことをいう。 このメディア・リテラシーを身に付けるためには、単にWebページや電子メールを見ているだけでは身に付かない。自分の保持している情報の信憑性を誰かに投げかけ、真意を測り初めて身に付くものである。 具体的に言えば、個人のWebページや電子メール、学級新聞など、インターネットにとらわれず、さまざまメディアの形で、情報発信を行い、他人に同感や批判をしてもらうことを繰り返すことで、メディア・リテラシーが成長していくのである。 そして近年注目を浴びメディア・リテラシーの成長に良いといわれているのが「ウェブログ」(Weblog)である。ウェブログとは、個人や数人のグループで運営され、日々更新される日記的なWebサイトのことで、時事ニュースや専門的なトピックスを自らの専門や立場から分析して意見を述べたり、他のサイトの著者と議論したりするものである。 7.インターネットセキュリティ セキュリティ対策とは、私的なもの公的なものを含めすべての財産を守ることである。財産には、金銭や建物などの有形なものや健康、家族、心の安らぎ、情報などの無形なものを含まれる。 現在社会は、多くのメディアが存在する。その中でもインターネットは、他のメディアと異なりシステムの脅威にさらされやすい存在である。この脅威から守ることを「インターネットセキュリティ」と呼ぶ。 今まで紙で保管されていた情報は、コンピュータの普及に伴い電子データとして保存されるようになった。また、利便性を求めるために、学校や企業内での情報交換に電子メールを用いるようになった。ところが、学校や企業のシステムがインターネットと接続されるようになったため、情報漏えいや不正侵入の危機にさらされるようになった。また、書類と異なりフロッピーディスクやCDなどは、内容の複製が簡単にできるため、外部へ持ち出せてしまう問題も含んでいる。この問題がセキュリティ問題の8割以上を占めている。したがって、コンピュータのセキュリティ対策は、次のようなトラブルを考慮する必要がある。 外部からの不正アクセス 内部からの不正アクセス コンピュータウィルス 操作ミスや処理ミス 偶発的に起こる事故 一般的には各コンピュータにウィルス対策ソフトを導入し、LANの入り口には不正侵入防止の監視する装置を設置する必要がある。また、重要な情報をインターネットで相手に渡す場合は、あらかじめ暗号化する必要がある。 組織内においてはアクセス権の設定を行い、情報改ざんや情報漏えいを防ぐ対策を行う。さらに組織独自のセキュリティポリシーを策定する。その上でユーザを教育する必要がある。また被害が発生して場合の対策マニュアルを事前に作成しておくことも重要なリスク管理となる。 8.情報倫理 ネットワーク社会で生き抜くために必要な知識として、セキュリティ対策とメディア・リテラシーが身につけば、最後はそれらを総合してネットワーク社会で生活する上での倫理観を身に付けることである。 ネットワーク社会であれば、公然と他人の誹謗中傷を行うことはよくない。また知り得た情報を勝手に他人に転送することもよくない。さらに他人のコンピュータに不正にアクセスすることもよくない。また他人のコンピュータを覗き見することも好ましくない。すべて社会的に考えても倫理観に反する。 これは会計士や税理士をたとえに取ると、仕事上知り得た情報を勝手に他人に話す行為などは、会計士や税理士の職業倫理に反するのと同じである。このようにネットワークシステムや個人情報を扱うものに課せられる倫理観が、「情報倫理」というわけです。 参考文献 ネットワーク社会と情報倫理 近代科学社 山住富也・湯浅聖記 メディア・リテラシーを学ぶ人のために 世界思想社 鈴木みどり インターネット&Webしくみ事典 ワークスコーポレーション 株式会社アイドゥ かんたんネットワーク入門 技術評論社 三輪賢一
3.ユビキタス環境 ユビキタス環境やユビキタス時代、ユビキタスネットワークなどという言葉がある。そもそもユビキタスとは、古いラテン語で「どこにでもある」という意味から来ている。このユビキタス環境とは、「いつでも」「どこでも」「なんでも」ネットワークに接続できるという環境のことを指す。 たとえば切符や航空券の予約、自動販売機でのジュース購入が携帯電話1つで決済可能になり、代金も自動的に銀行口座から引き落とされるというように、さまざまなものがインターネットに接続されている環境を意味する。また家電製品がネットワーク接続されるようになれば、帰宅前にお風呂やエアコン、炊飯器のスイッチを入れておくことも可能になる。このように身の回りに取り巻くものが、ネットワークと融合し相互に利用可能になる社会こそがユビキタス社会なのである。 4.ネットワーク社会のルールとマナー ネットワーク社会でも現実社会と同じく、ルールやマナーを守り、他人に迷惑をかける行為や不安がらせる行為は許されません。刑法や民法、不正アクセス禁止法、著作権法などにより法律面からもルール作りがなされている。同時にルールとマナーを守ることで、自分自身の安全確保にもなる。主なルールとマナーを挙げると下記のようなものがある。 誹謗中傷はしない。 プライバシーの侵害をしない。 わいせつ情報や法に触れる情報の掲示をしない。 無断で他人の著作物を使用しない。 差別表現、公序良俗に反するような情報を発信しない。 なりすましをしたり、他人のユーザIDでコンピュータにアクセスしたりしない。 5.インターネットの抱える問題 インターネットは公共のネットワークであるため、不特定多数の利用者が存在する。利用者にはクラッカー(ハッカー)と呼ばれる悪意をもった利用者も存在する。悪意を持った利用者は、不正にコンピュータに侵入して重要なデータを盗用・改ざん・破壊を行う可能性がある。下の図1は、平成17年総務省通信白書をもとに作成したデータである。 図1 情報セキュリティの被害状況(複数回答可) また、近年コンピュータウィルスが爆発的に増え、野放しにしたコンピュータは、数分でコンピュータウィルスに感染する。このような危険性を「システムの脅威」と呼ぶ。 システムの脅威には、天災とハードウェアの故障、セキュリティ侵害など存在する。特にインターネットの利用者においては、セキュリティの侵害について、存在と対策を知っておく必要がある。 6.メディア・リテラシー メディア・リテラシーとは、「メディア」と「リテラシー」の2つの言葉からできている。「メディア」とは、新聞や雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットなどの媒体のことを意味する。そして「リテラシー」とは、「読み取る能力」と「書く能力」の2つを指す。 つまり、メディア・リテラシーとは、インターネットや新聞、ラジオなどのメディアから情報を読み取り、必要に応じて情報を発信できる能力を意味する。これらの能力は、インターネットや新聞などのメディア上にあるデータから信憑性が高く、信頼性のある「情報」を探し出す力のことをいう。 このメディア・リテラシーを身に付けるためには、単にWebページや電子メールを見ているだけでは身に付かない。自分の保持している情報の信憑性を誰かに投げかけ、真意を測り初めて身に付くものである。 具体的に言えば、個人のWebページや電子メール、学級新聞など、インターネットにとらわれず、さまざまメディアの形で、情報発信を行い、他人に同感や批判をしてもらうことを繰り返すことで、メディア・リテラシーが成長していくのである。 そして近年注目を浴びメディア・リテラシーの成長に良いといわれているのが「ウェブログ」(Weblog)である。ウェブログとは、個人や数人のグループで運営され、日々更新される日記的なWebサイトのことで、時事ニュースや専門的なトピックスを自らの専門や立場から分析して意見を述べたり、他のサイトの著者と議論したりするものである。 7.インターネットセキュリティ セキュリティ対策とは、私的なもの公的なものを含めすべての財産を守ることである。財産には、金銭や建物などの有形なものや健康、家族、心の安らぎ、情報などの無形なものを含まれる。 現在社会は、多くのメディアが存在する。その中でもインターネットは、他のメディアと異なりシステムの脅威にさらされやすい存在である。この脅威から守ることを「インターネットセキュリティ」と呼ぶ。 今まで紙で保管されていた情報は、コンピュータの普及に伴い電子データとして保存されるようになった。また、利便性を求めるために、学校や企業内での情報交換に電子メールを用いるようになった。ところが、学校や企業のシステムがインターネットと接続されるようになったため、情報漏えいや不正侵入の危機にさらされるようになった。また、書類と異なりフロッピーディスクやCDなどは、内容の複製が簡単にできるため、外部へ持ち出せてしまう問題も含んでいる。この問題がセキュリティ問題の8割以上を占めている。したがって、コンピュータのセキュリティ対策は、次のようなトラブルを考慮する必要がある。 外部からの不正アクセス 内部からの不正アクセス コンピュータウィルス 操作ミスや処理ミス 偶発的に起こる事故 一般的には各コンピュータにウィルス対策ソフトを導入し、LANの入り口には不正侵入防止の監視する装置を設置する必要がある。また、重要な情報をインターネットで相手に渡す場合は、あらかじめ暗号化する必要がある。 組織内においてはアクセス権の設定を行い、情報改ざんや情報漏えいを防ぐ対策を行う。さらに組織独自のセキュリティポリシーを策定する。その上でユーザを教育する必要がある。また被害が発生して場合の対策マニュアルを事前に作成しておくことも重要なリスク管理となる。 8.情報倫理 ネットワーク社会で生き抜くために必要な知識として、セキュリティ対策とメディア・リテラシーが身につけば、最後はそれらを総合してネットワーク社会で生活する上での倫理観を身に付けることである。 ネットワーク社会であれば、公然と他人の誹謗中傷を行うことはよくない。また知り得た情報を勝手に他人に転送することもよくない。さらに他人のコンピュータに不正にアクセスすることもよくない。また他人のコンピュータを覗き見することも好ましくない。すべて社会的に考えても倫理観に反する。 これは会計士や税理士をたとえに取ると、仕事上知り得た情報を勝手に他人に話す行為などは、会計士や税理士の職業倫理に反するのと同じである。このようにネットワークシステムや個人情報を扱うものに課せられる倫理観が、「情報倫理」というわけです。 参考文献 ネットワーク社会と情報倫理 近代科学社 山住富也・湯浅聖記 メディア・リテラシーを学ぶ人のために 世界思想社 鈴木みどり インターネット&Webしくみ事典 ワークスコーポレーション 株式会社アイドゥ かんたんネットワーク入門 技術評論社 三輪賢一
4.ネットワーク社会のルールとマナー ネットワーク社会でも現実社会と同じく、ルールやマナーを守り、他人に迷惑をかける行為や不安がらせる行為は許されません。刑法や民法、不正アクセス禁止法、著作権法などにより法律面からもルール作りがなされている。同時にルールとマナーを守ることで、自分自身の安全確保にもなる。主なルールとマナーを挙げると下記のようなものがある。 誹謗中傷はしない。 プライバシーの侵害をしない。 わいせつ情報や法に触れる情報の掲示をしない。 無断で他人の著作物を使用しない。 差別表現、公序良俗に反するような情報を発信しない。 なりすましをしたり、他人のユーザIDでコンピュータにアクセスしたりしない。 5.インターネットの抱える問題 インターネットは公共のネットワークであるため、不特定多数の利用者が存在する。利用者にはクラッカー(ハッカー)と呼ばれる悪意をもった利用者も存在する。悪意を持った利用者は、不正にコンピュータに侵入して重要なデータを盗用・改ざん・破壊を行う可能性がある。下の図1は、平成17年総務省通信白書をもとに作成したデータである。 図1 情報セキュリティの被害状況(複数回答可) また、近年コンピュータウィルスが爆発的に増え、野放しにしたコンピュータは、数分でコンピュータウィルスに感染する。このような危険性を「システムの脅威」と呼ぶ。 システムの脅威には、天災とハードウェアの故障、セキュリティ侵害など存在する。特にインターネットの利用者においては、セキュリティの侵害について、存在と対策を知っておく必要がある。 6.メディア・リテラシー メディア・リテラシーとは、「メディア」と「リテラシー」の2つの言葉からできている。「メディア」とは、新聞や雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットなどの媒体のことを意味する。そして「リテラシー」とは、「読み取る能力」と「書く能力」の2つを指す。 つまり、メディア・リテラシーとは、インターネットや新聞、ラジオなどのメディアから情報を読み取り、必要に応じて情報を発信できる能力を意味する。これらの能力は、インターネットや新聞などのメディア上にあるデータから信憑性が高く、信頼性のある「情報」を探し出す力のことをいう。 このメディア・リテラシーを身に付けるためには、単にWebページや電子メールを見ているだけでは身に付かない。自分の保持している情報の信憑性を誰かに投げかけ、真意を測り初めて身に付くものである。 具体的に言えば、個人のWebページや電子メール、学級新聞など、インターネットにとらわれず、さまざまメディアの形で、情報発信を行い、他人に同感や批判をしてもらうことを繰り返すことで、メディア・リテラシーが成長していくのである。 そして近年注目を浴びメディア・リテラシーの成長に良いといわれているのが「ウェブログ」(Weblog)である。ウェブログとは、個人や数人のグループで運営され、日々更新される日記的なWebサイトのことで、時事ニュースや専門的なトピックスを自らの専門や立場から分析して意見を述べたり、他のサイトの著者と議論したりするものである。 7.インターネットセキュリティ セキュリティ対策とは、私的なもの公的なものを含めすべての財産を守ることである。財産には、金銭や建物などの有形なものや健康、家族、心の安らぎ、情報などの無形なものを含まれる。 現在社会は、多くのメディアが存在する。その中でもインターネットは、他のメディアと異なりシステムの脅威にさらされやすい存在である。この脅威から守ることを「インターネットセキュリティ」と呼ぶ。 今まで紙で保管されていた情報は、コンピュータの普及に伴い電子データとして保存されるようになった。また、利便性を求めるために、学校や企業内での情報交換に電子メールを用いるようになった。ところが、学校や企業のシステムがインターネットと接続されるようになったため、情報漏えいや不正侵入の危機にさらされるようになった。また、書類と異なりフロッピーディスクやCDなどは、内容の複製が簡単にできるため、外部へ持ち出せてしまう問題も含んでいる。この問題がセキュリティ問題の8割以上を占めている。したがって、コンピュータのセキュリティ対策は、次のようなトラブルを考慮する必要がある。 外部からの不正アクセス 内部からの不正アクセス コンピュータウィルス 操作ミスや処理ミス 偶発的に起こる事故 一般的には各コンピュータにウィルス対策ソフトを導入し、LANの入り口には不正侵入防止の監視する装置を設置する必要がある。また、重要な情報をインターネットで相手に渡す場合は、あらかじめ暗号化する必要がある。 組織内においてはアクセス権の設定を行い、情報改ざんや情報漏えいを防ぐ対策を行う。さらに組織独自のセキュリティポリシーを策定する。その上でユーザを教育する必要がある。また被害が発生して場合の対策マニュアルを事前に作成しておくことも重要なリスク管理となる。 8.情報倫理 ネットワーク社会で生き抜くために必要な知識として、セキュリティ対策とメディア・リテラシーが身につけば、最後はそれらを総合してネットワーク社会で生活する上での倫理観を身に付けることである。 ネットワーク社会であれば、公然と他人の誹謗中傷を行うことはよくない。また知り得た情報を勝手に他人に転送することもよくない。さらに他人のコンピュータに不正にアクセスすることもよくない。また他人のコンピュータを覗き見することも好ましくない。すべて社会的に考えても倫理観に反する。 これは会計士や税理士をたとえに取ると、仕事上知り得た情報を勝手に他人に話す行為などは、会計士や税理士の職業倫理に反するのと同じである。このようにネットワークシステムや個人情報を扱うものに課せられる倫理観が、「情報倫理」というわけです。 参考文献 ネットワーク社会と情報倫理 近代科学社 山住富也・湯浅聖記 メディア・リテラシーを学ぶ人のために 世界思想社 鈴木みどり インターネット&Webしくみ事典 ワークスコーポレーション 株式会社アイドゥ かんたんネットワーク入門 技術評論社 三輪賢一
5.インターネットの抱える問題 インターネットは公共のネットワークであるため、不特定多数の利用者が存在する。利用者にはクラッカー(ハッカー)と呼ばれる悪意をもった利用者も存在する。悪意を持った利用者は、不正にコンピュータに侵入して重要なデータを盗用・改ざん・破壊を行う可能性がある。下の図1は、平成17年総務省通信白書をもとに作成したデータである。 図1 情報セキュリティの被害状況(複数回答可) また、近年コンピュータウィルスが爆発的に増え、野放しにしたコンピュータは、数分でコンピュータウィルスに感染する。このような危険性を「システムの脅威」と呼ぶ。 システムの脅威には、天災とハードウェアの故障、セキュリティ侵害など存在する。特にインターネットの利用者においては、セキュリティの侵害について、存在と対策を知っておく必要がある。 6.メディア・リテラシー メディア・リテラシーとは、「メディア」と「リテラシー」の2つの言葉からできている。「メディア」とは、新聞や雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットなどの媒体のことを意味する。そして「リテラシー」とは、「読み取る能力」と「書く能力」の2つを指す。 つまり、メディア・リテラシーとは、インターネットや新聞、ラジオなどのメディアから情報を読み取り、必要に応じて情報を発信できる能力を意味する。これらの能力は、インターネットや新聞などのメディア上にあるデータから信憑性が高く、信頼性のある「情報」を探し出す力のことをいう。 このメディア・リテラシーを身に付けるためには、単にWebページや電子メールを見ているだけでは身に付かない。自分の保持している情報の信憑性を誰かに投げかけ、真意を測り初めて身に付くものである。 具体的に言えば、個人のWebページや電子メール、学級新聞など、インターネットにとらわれず、さまざまメディアの形で、情報発信を行い、他人に同感や批判をしてもらうことを繰り返すことで、メディア・リテラシーが成長していくのである。 そして近年注目を浴びメディア・リテラシーの成長に良いといわれているのが「ウェブログ」(Weblog)である。ウェブログとは、個人や数人のグループで運営され、日々更新される日記的なWebサイトのことで、時事ニュースや専門的なトピックスを自らの専門や立場から分析して意見を述べたり、他のサイトの著者と議論したりするものである。 7.インターネットセキュリティ セキュリティ対策とは、私的なもの公的なものを含めすべての財産を守ることである。財産には、金銭や建物などの有形なものや健康、家族、心の安らぎ、情報などの無形なものを含まれる。 現在社会は、多くのメディアが存在する。その中でもインターネットは、他のメディアと異なりシステムの脅威にさらされやすい存在である。この脅威から守ることを「インターネットセキュリティ」と呼ぶ。 今まで紙で保管されていた情報は、コンピュータの普及に伴い電子データとして保存されるようになった。また、利便性を求めるために、学校や企業内での情報交換に電子メールを用いるようになった。ところが、学校や企業のシステムがインターネットと接続されるようになったため、情報漏えいや不正侵入の危機にさらされるようになった。また、書類と異なりフロッピーディスクやCDなどは、内容の複製が簡単にできるため、外部へ持ち出せてしまう問題も含んでいる。この問題がセキュリティ問題の8割以上を占めている。したがって、コンピュータのセキュリティ対策は、次のようなトラブルを考慮する必要がある。 外部からの不正アクセス 内部からの不正アクセス コンピュータウィルス 操作ミスや処理ミス 偶発的に起こる事故 一般的には各コンピュータにウィルス対策ソフトを導入し、LANの入り口には不正侵入防止の監視する装置を設置する必要がある。また、重要な情報をインターネットで相手に渡す場合は、あらかじめ暗号化する必要がある。 組織内においてはアクセス権の設定を行い、情報改ざんや情報漏えいを防ぐ対策を行う。さらに組織独自のセキュリティポリシーを策定する。その上でユーザを教育する必要がある。また被害が発生して場合の対策マニュアルを事前に作成しておくことも重要なリスク管理となる。 8.情報倫理 ネットワーク社会で生き抜くために必要な知識として、セキュリティ対策とメディア・リテラシーが身につけば、最後はそれらを総合してネットワーク社会で生活する上での倫理観を身に付けることである。 ネットワーク社会であれば、公然と他人の誹謗中傷を行うことはよくない。また知り得た情報を勝手に他人に転送することもよくない。さらに他人のコンピュータに不正にアクセスすることもよくない。また他人のコンピュータを覗き見することも好ましくない。すべて社会的に考えても倫理観に反する。 これは会計士や税理士をたとえに取ると、仕事上知り得た情報を勝手に他人に話す行為などは、会計士や税理士の職業倫理に反するのと同じである。このようにネットワークシステムや個人情報を扱うものに課せられる倫理観が、「情報倫理」というわけです。 参考文献 ネットワーク社会と情報倫理 近代科学社 山住富也・湯浅聖記 メディア・リテラシーを学ぶ人のために 世界思想社 鈴木みどり インターネット&Webしくみ事典 ワークスコーポレーション 株式会社アイドゥ かんたんネットワーク入門 技術評論社 三輪賢一
また、近年コンピュータウィルスが爆発的に増え、野放しにしたコンピュータは、数分でコンピュータウィルスに感染する。このような危険性を「システムの脅威」と呼ぶ。 システムの脅威には、天災とハードウェアの故障、セキュリティ侵害など存在する。特にインターネットの利用者においては、セキュリティの侵害について、存在と対策を知っておく必要がある。
6.メディア・リテラシー メディア・リテラシーとは、「メディア」と「リテラシー」の2つの言葉からできている。「メディア」とは、新聞や雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットなどの媒体のことを意味する。そして「リテラシー」とは、「読み取る能力」と「書く能力」の2つを指す。 つまり、メディア・リテラシーとは、インターネットや新聞、ラジオなどのメディアから情報を読み取り、必要に応じて情報を発信できる能力を意味する。これらの能力は、インターネットや新聞などのメディア上にあるデータから信憑性が高く、信頼性のある「情報」を探し出す力のことをいう。 このメディア・リテラシーを身に付けるためには、単にWebページや電子メールを見ているだけでは身に付かない。自分の保持している情報の信憑性を誰かに投げかけ、真意を測り初めて身に付くものである。 具体的に言えば、個人のWebページや電子メール、学級新聞など、インターネットにとらわれず、さまざまメディアの形で、情報発信を行い、他人に同感や批判をしてもらうことを繰り返すことで、メディア・リテラシーが成長していくのである。 そして近年注目を浴びメディア・リテラシーの成長に良いといわれているのが「ウェブログ」(Weblog)である。ウェブログとは、個人や数人のグループで運営され、日々更新される日記的なWebサイトのことで、時事ニュースや専門的なトピックスを自らの専門や立場から分析して意見を述べたり、他のサイトの著者と議論したりするものである。 7.インターネットセキュリティ セキュリティ対策とは、私的なもの公的なものを含めすべての財産を守ることである。財産には、金銭や建物などの有形なものや健康、家族、心の安らぎ、情報などの無形なものを含まれる。 現在社会は、多くのメディアが存在する。その中でもインターネットは、他のメディアと異なりシステムの脅威にさらされやすい存在である。この脅威から守ることを「インターネットセキュリティ」と呼ぶ。 今まで紙で保管されていた情報は、コンピュータの普及に伴い電子データとして保存されるようになった。また、利便性を求めるために、学校や企業内での情報交換に電子メールを用いるようになった。ところが、学校や企業のシステムがインターネットと接続されるようになったため、情報漏えいや不正侵入の危機にさらされるようになった。また、書類と異なりフロッピーディスクやCDなどは、内容の複製が簡単にできるため、外部へ持ち出せてしまう問題も含んでいる。この問題がセキュリティ問題の8割以上を占めている。したがって、コンピュータのセキュリティ対策は、次のようなトラブルを考慮する必要がある。 外部からの不正アクセス 内部からの不正アクセス コンピュータウィルス 操作ミスや処理ミス 偶発的に起こる事故 一般的には各コンピュータにウィルス対策ソフトを導入し、LANの入り口には不正侵入防止の監視する装置を設置する必要がある。また、重要な情報をインターネットで相手に渡す場合は、あらかじめ暗号化する必要がある。 組織内においてはアクセス権の設定を行い、情報改ざんや情報漏えいを防ぐ対策を行う。さらに組織独自のセキュリティポリシーを策定する。その上でユーザを教育する必要がある。また被害が発生して場合の対策マニュアルを事前に作成しておくことも重要なリスク管理となる。 8.情報倫理 ネットワーク社会で生き抜くために必要な知識として、セキュリティ対策とメディア・リテラシーが身につけば、最後はそれらを総合してネットワーク社会で生活する上での倫理観を身に付けることである。 ネットワーク社会であれば、公然と他人の誹謗中傷を行うことはよくない。また知り得た情報を勝手に他人に転送することもよくない。さらに他人のコンピュータに不正にアクセスすることもよくない。また他人のコンピュータを覗き見することも好ましくない。すべて社会的に考えても倫理観に反する。 これは会計士や税理士をたとえに取ると、仕事上知り得た情報を勝手に他人に話す行為などは、会計士や税理士の職業倫理に反するのと同じである。このようにネットワークシステムや個人情報を扱うものに課せられる倫理観が、「情報倫理」というわけです。 参考文献 ネットワーク社会と情報倫理 近代科学社 山住富也・湯浅聖記 メディア・リテラシーを学ぶ人のために 世界思想社 鈴木みどり インターネット&Webしくみ事典 ワークスコーポレーション 株式会社アイドゥ かんたんネットワーク入門 技術評論社 三輪賢一
7.インターネットセキュリティ セキュリティ対策とは、私的なもの公的なものを含めすべての財産を守ることである。財産には、金銭や建物などの有形なものや健康、家族、心の安らぎ、情報などの無形なものを含まれる。 現在社会は、多くのメディアが存在する。その中でもインターネットは、他のメディアと異なりシステムの脅威にさらされやすい存在である。この脅威から守ることを「インターネットセキュリティ」と呼ぶ。 今まで紙で保管されていた情報は、コンピュータの普及に伴い電子データとして保存されるようになった。また、利便性を求めるために、学校や企業内での情報交換に電子メールを用いるようになった。ところが、学校や企業のシステムがインターネットと接続されるようになったため、情報漏えいや不正侵入の危機にさらされるようになった。また、書類と異なりフロッピーディスクやCDなどは、内容の複製が簡単にできるため、外部へ持ち出せてしまう問題も含んでいる。この問題がセキュリティ問題の8割以上を占めている。したがって、コンピュータのセキュリティ対策は、次のようなトラブルを考慮する必要がある。 外部からの不正アクセス 内部からの不正アクセス コンピュータウィルス 操作ミスや処理ミス 偶発的に起こる事故 一般的には各コンピュータにウィルス対策ソフトを導入し、LANの入り口には不正侵入防止の監視する装置を設置する必要がある。また、重要な情報をインターネットで相手に渡す場合は、あらかじめ暗号化する必要がある。 組織内においてはアクセス権の設定を行い、情報改ざんや情報漏えいを防ぐ対策を行う。さらに組織独自のセキュリティポリシーを策定する。その上でユーザを教育する必要がある。また被害が発生して場合の対策マニュアルを事前に作成しておくことも重要なリスク管理となる。 8.情報倫理 ネットワーク社会で生き抜くために必要な知識として、セキュリティ対策とメディア・リテラシーが身につけば、最後はそれらを総合してネットワーク社会で生活する上での倫理観を身に付けることである。 ネットワーク社会であれば、公然と他人の誹謗中傷を行うことはよくない。また知り得た情報を勝手に他人に転送することもよくない。さらに他人のコンピュータに不正にアクセスすることもよくない。また他人のコンピュータを覗き見することも好ましくない。すべて社会的に考えても倫理観に反する。 これは会計士や税理士をたとえに取ると、仕事上知り得た情報を勝手に他人に話す行為などは、会計士や税理士の職業倫理に反するのと同じである。このようにネットワークシステムや個人情報を扱うものに課せられる倫理観が、「情報倫理」というわけです。 参考文献 ネットワーク社会と情報倫理 近代科学社 山住富也・湯浅聖記 メディア・リテラシーを学ぶ人のために 世界思想社 鈴木みどり インターネット&Webしくみ事典 ワークスコーポレーション 株式会社アイドゥ かんたんネットワーク入門 技術評論社 三輪賢一
8.情報倫理 ネットワーク社会で生き抜くために必要な知識として、セキュリティ対策とメディア・リテラシーが身につけば、最後はそれらを総合してネットワーク社会で生活する上での倫理観を身に付けることである。 ネットワーク社会であれば、公然と他人の誹謗中傷を行うことはよくない。また知り得た情報を勝手に他人に転送することもよくない。さらに他人のコンピュータに不正にアクセスすることもよくない。また他人のコンピュータを覗き見することも好ましくない。すべて社会的に考えても倫理観に反する。 これは会計士や税理士をたとえに取ると、仕事上知り得た情報を勝手に他人に話す行為などは、会計士や税理士の職業倫理に反するのと同じである。このようにネットワークシステムや個人情報を扱うものに課せられる倫理観が、「情報倫理」というわけです。 参考文献 ネットワーク社会と情報倫理 近代科学社 山住富也・湯浅聖記 メディア・リテラシーを学ぶ人のために 世界思想社 鈴木みどり インターネット&Webしくみ事典 ワークスコーポレーション 株式会社アイドゥ かんたんネットワーク入門 技術評論社 三輪賢一