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開催趣旨




企画委員まとめ役:天野 浩文(九州大学)

おはようございます。今回の合同分科会・企画委員のまとめ役をさせて頂きました、九州大学情報基盤センターの天野と申します。

皆様にお配りしております資料集1ページ目の「開催にあたって」というところに短い文をつけさせて頂いております。その冒頭で、「われわれの情報通信システムへの依存度が増すにつれ、その安全・安心が損なわれた時の衝撃に対する不安や懸念を感じる人も増えてきているのではないでしょうか」と書かせて頂いております。

実は5月のSS研の総会で、今年度の合同分科会活動計画の報告をするため、その開催趣旨の作文をしておりました時には、「不安や懸念を感じる人も増えてきているのではないでしょうか」ではなく、「不安や懸念を多くの人々が共有する様になってきた」と少し勇み足で書いたのですが、別の企画委員の方からのご意見で、まだ不安や懸念をそれほどまでに皆さんが共有しているような状況には至っていないのではないか、というご意見がありました。

確かに、文章を書く時につい紋切り型で、わざわざ不安や懸念をあおる様な書き方をしてしまった訳ですが、よく考えてみますと、安全や安心ということは、安全・安心が我々の心理状態に与えてくれる好ましい影響のせいでしょうか、つい、安全・安心が続いている間は考えなくなりがちである、ということを思い知らされることになった訳です。

今回、この合同分科会の会場に集まってこられている方は、このIT社会をささえるさまざまな製品を開発、あるいは販売、あるいはサポートしておられる方々、あるいはそういった製品を導入してそれを運用し、サービスを提供している側の人がほとんどですので、一般社会の普通の方々に比べると特に情報通信システムの安全・安心に対する意識というのはかなり高い方々が集まっておられるとは思っておりますが、もう一度、ここで今我々があたりまえと思って使っているシステムがその機能の一部を失う、あるいは思っていたのと違う動作をしてしまった時に我々はどういう思いをすることになるのか、またそういったことを防ぐために何をしたら良いのかということを改めて考える機会をご提供できればと思っております。

簡単ではございますが、これを今回の合同分科会開催趣旨の説明にかえさせて頂きます。(拍手)



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