News Letter HPCミーティング2002 〜開催趣旨〜
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蕪木英雄 (日本原子力研究所)
皆さん、おはようございます。 HPCミーティングを始めたいと思います。

本日はHPCの立場からGridコンピューティングという物を考える場にしてみたいと考えております。

Gridの技術の重要性というのは、皆さんよく認識されておられるものと思います。 Grid技術は色々な特徴があるわけですが、その中でコラボレーションというのが重要な側面と考えております。

私どもHPCをやっている立場から致しますと、今のシミュレーション、特に数値実験の環境というのは非常に変化しております。 私が考えるには、数値シミュレーションの中でも現在統合環境みたいなものが非常に求められているのではないかと考えております。 実際私どもがやっている物質とか材料のモデリングの世界ではマルチスケールモデリングという考え方が非常に重要であります。 これはミクロからマクロまでをつなぐ数値実験技術という側面だけではなくて、色々な広がりを持っている様に思います。 例えば科学者と工学者との付き合いが増えるとか、今まで科学と工学の谷間にある領域が研究されるとか、その様な側面を持っております。 色々違ったソサイエティの中で活動してきた方々が協力していく、ある意味では今まで私達がやってきた科学技術の研究のスタイルを変える、ということが起こっている様に思います。

Grid技術というのは、そのような科学研究のスタイルの1つのフレームワークを与えてもらえるものと私どもは期待しているわけです。 しかしながらGrid技術自体、現在発展途上にある技術ですので、HPCでGrid技術をアプリケーションとして使っていこうという方々には非常にご苦労があるものと考えられます。

本日はHPCの中でGrid技術を先駆的に使っておられるという先生方のご講演を頂きまして、現状を認識すると同時に、将来的な展望というのをこの場で議論出来れば良いと考えております。 本日のご講演にある様に、例えば産総研の関口先生のタイトルにある「夢と現実」というのがございますけれども、そのギャップを埋める色々なアイデアを出して取り組んで行くというようなところが現在非常に求められていると考えております。

本日4時まで長い時間ですが、是非色々なアイデアを出して頂いてご活発な議論をお願いしたいと思います。 それではよろしくお願い致します。(拍手)

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