補足資料「解説:Cactusとは」 |
CACTUSとは、アインシュタインの重力方程式の数値解の研究をしている欧米の研究者が中心となり、コード開発および実行の両面における共通の計算研究環境として開発したオープンソースのProblem Solving Environmentである。 その名のとおりサボテンのような構成をとっており肉の部分(Flesh)ととげの部分(Thorn)からなっている。 Fleshは結合部分であり、Thornはアプリに応じて研究者が付け加えるカスタムモジュールや、通信のような標準的ライブラリ・ツールキット等のinfrastructure thornからなる。 その構造を図1に示す。 図1. CACTUSの構造(FleshとThorn)[1] 最新のCACTUS(4.0版beta11)には53本のinfrastructure thornと9本のtest thornがある。 CACTUSはGlobusの機能およびGrid上のMessage Passing LibraryであるMPICH-G2をベースとしている。(図2) 図2. Grid上のCACTUSの位置付け[1] CACTUSをベースにした研究プロジェクトとしてはNumerical Relativity(アインシュタイン方程式)のみならず、Chemical Engineering, Climate Modeling, Bio-Informatics, Early Universe, Geophysics, Crack Propagationなど多岐にわたって計画されている。 CACTUSの構造は連成問題(Multi-physics)用のカプラ−としても適していると思われる。 なおNumerical Relativityに関してはAstrophysics Simulataion Collaboratory(ASC)と呼ばれる天体物理学の分野のPortalもあり、CACTUSをベースとしている。[2]
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