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まとめ

企画委員 : 松澤 照男(北陸先端科学技術大学院大学情報科学センター)

    北陸先端科学技術大学院大学の松澤です。

    斎藤先生の楽しいお話の後に、このような話をするのは非常に損な立場だなと思います。しかし、一応、スケジュールされておりますので、合同分科会のまとめをさせていただきます。

    昨日の最初に、京都大学の益川先生に「現代の物質観 〜素粒子論が歩んできた道〜」というタイトルでご講演をいただきました。マックスウェルの方程式から素粒子論のこれまでの歴史をお話いただきました。1970年代に大きな変化があって、それまでの理論に大きな変更が加えられ、それから理論展開をされて、昨年の実験でその理論が証明されたというお話とともに、数々の物理学のエピソードをお話なされて、時代に逆らって新しい理論展開を発表することはなかなか難しいというお話を始めとして、非常に楽しいお話を聞かしていただいのではないかと思います。

    そして分科会セッションですが、システム技術分科会では「無線LAN」、研究教育環境分科会では「e-Learningは定着するのか」、科学技術計算分科会では「見えてきた最新並列技術」のテーマで行われました。また、それとほぼ同じような形で夜の懇談会が行われました。少し時間が少なかったのかもしれませんが、実り多い討論ができたのではないかと思います。私は科学技術計算分科会に参加しますと、大変活発な議論が行われておりました。また、研究教育環境分科会やシステム技術分科会でも活発な議論がされたとお聞きしています。

    今日に入りまして、富士通研究所の宮澤取締役から「ALL-IPが拓く次世代ITシステム」というご講演で、今後どのようなIT技術がでてくるか、すぐ実現できる技術から今後の情報技術の夢というか、非常に楽しく希望のある話であったのではないかと思います。

    その後、4人のパネリストの方からそれぞれご報告をいただいて、「組織を超えたグローバルサービスの実現」のテーマで、明治大学の阪井先生がコーディネータされた討論会を行いました。今、大学や研究所が、この激動の中で抱えている非常に難しい問題が明らかにされました。特に組織が変革の中でその組織を有効なものにしていくというところでの様々な問題が明らかになってきたのではないかと思います。そういう意味で、基本的には皆さんが所属されている機関では、それぞれの考え方、それぞれの立場があると思います。我々は、一大学人であり、一研究者であると思います。その中で良心のもとに、自分がやれる範囲をおおいにやるべきではないかと思うのです。非常に難しい問題ではありますが、再度考る良い機会になったのではないかと思います。大学や研究機関の置かれている状況は安泰ということではないのです。最初にお話しましたように、富士通も厳しい状況ですし、大学、あるいは研究所も今、大きな波の中にあると思います。このように、激動の時代だから、逆にいろいろなことができるのであろうし、いろいろなことがやりやすいと感じられないわけでもありません。このような意味においても、皆様がおおいに活躍されますと、それぞれ道が切り開かれるのではないと思います。是非、今日の討論会を糧に、明日から頑張っていただきたいと思います。

    さて、午後になりまして、航空宇宙技術研究所の岩宮先生から「統合シミュレーションシステムと第V期数値シミュレーションシステムの構築」というお話で、数値流体力学の課題と研究成果を含めてご報告いただきました。第V期数値シミュレーションシステムがどのようなシステムであるかもご紹介をいただきました。CFD技術の最先端の研究がご紹介されたものであると思います。

    そして最後のセッションですが、明治大学の齋藤先生は非常にユニークな方で、私が知っている限り、体操まで行った講演会はあリませんでした。非常に貴重な経験ではなかったかと思います。

    昨日から今日まで、本当に実りの多い合同分科会ではなかったかと思います。この後、6時半から予定されている懇親会では、美味しいお酒が呑めるのではないかと期待しております。そういうことで、今年度の合同分科会のオフィシャルな行事はこれで閉じたいと思います。

    皆様のご協力、どうもありがとうございました。(拍手)


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