昨今の急激な技術進展やグローバル化などに柔軟に追随し得る人材を育成するためには,学習の場所や時間の制約を大幅に軽減可能な、ITを駆使したe-Learning環境をフルに活用する必要があります。
富士通ではe-Learningを中心とした教育提供コンセプト"FUJITSU NetCampus"を創りだしました。"FUJITSU NetCampus"は、ライブのディスタンスラーニングやオンデマンドのコンテンツアクセス、セルフアセスメントなど、ネットワーク上でスピーディに学習を進めることが可能な学習環境を提供しております。
さらに、学習者間での情報共有や意見交流などを行うコミュニティの形成や、ナレッジを共有することで知識創造力を養い、また、タイムリーなQA対応や個別フォローアップなども兼ね備えた『学びの場・情報共有の場』を提供しています。
e-Learning導入の目的としては、一般的には教育コスト削減が主目的のように言われていますが、富士通では、この事自体よりも、教育機会の増加や内容の充実に力を入れております。
NetCampusを構成する主なコンポーネントとしては、ラーニングポータルサイトや、学習申込みから履歴把握までの学習管理を担うNetCampus/LMS(Learning Management System)、ライブやオンデマンドの遠隔学習を行うNetCampus/DL(Distance Learning)、および自席以外でのWEB学習スペースとしてのNetCampus/LS(Learning Space)などがあります。
加えて、学習に関する問合せにも即座に対応し"One to One"の学習サポートを行うCCC(Cyber Consultation Center)を設ける事で、WEB上でのタイムリーで効果的な学習支援機能をサポートしております。
|
一般教室 |
自席 |
自宅 |
LS |
集合教育 |
○ |
− |
− |
− |
e-Learning |
− |
○ |
○ |
○ |
ライブ |
− |
○ |
− |
○ |
(1) ラーニングマネジメントシステム(NetCampus/LMS)
LMSでは、講座案内から学習申込み、e-Learningの受講、履歴把握とともに、受講生に対して教育コミュニティの提供を行い、下記を実現しております。
- 全ての人材育成情報の集約によるニーズにマッチした教育の選択性向上
- イントラネットを利用したWEBでの学習申込み、e-Learning教材の受講〜履歴把握
- 先端技術教育など、全国一律に且つ、タイムリーな教育の実施
- BBS機能を用いた、学習者間の情報共有・意見交換を促進するコミュニティの提供
- 学習者個人専用のページ提供による、個人単位の使いやすい機能とガイドラインの提供
(2) ディスタンスラーニング(NetCampus/DL)
遠隔学習環境です。 事務所の自席での学習が困難な方向けに個人学習コーナーを用意します。また、遠隔地間でライブによるグループ討議を可能とする、グループ討論コーナーも併せて設置していきます。これらに関しては2002年度より、国内各工場・主要拠点に展開中です。(LearningSpace・LearningPitとして展開中)
- ライブによる映像の一斉配信と受信
- ライブによる遠隔地間のグループ討議(バーチャルクラスルーム)
- オンデマンドによるStreamingコンテンツ配信や受信
(3) コンテンツ (NetCampus/I-Navi)
NetCampusの学習環境では、WEBアクセスが可能なHTMLベースコンテンツに加え、多彩な映像表現が可能なStreamingコンテンツや、映像配信ツールなどによるライブ映像コンテンツの提供を強化し、学習効果向上を図っております。
また、現場ニーズに即したコンテンツの充実をはかり、各現場部門で保有する独自のコンテンツの社内流通を推進します。
(4) サイバーコンサルテーションセンター(NetCampus/CRM)
CCCは、Cyber Consultation Centerの略称で、ネットワークをフルに活用して学習に関するあらゆる問い合わせに対応し個人/組織の支援を致します。その仕組みとしては、富士通のCRM(Customer Relation Management)パッケージを活用しております。
時間や場所に制約されない学習形態としてe-Learningが注目され、学習の機会が飛躍的に拡大しました。富士通では、CCCが学習に関するあらゆる問合せに対応し、支援する役割を果たすことで、効果的な学習を行うことができるようにします。即ち、CCCでは、メンター機能、チュータ機能のほかに、いろいろな人材育成一般にも対応した、所謂コンシェルジェ機能もサポートしております。
受講プランに関する相談や、講座に関する問い合わせに対しスペシャリストがOne to Oneでバックアップします。さらに、e-Learningでは日々の学習進捗に対し、メールやBBSで適切なアドバイスを行います。
FAQ(Frequency Asked Question)を充実させることで、即時に受講者自らが、問題解決する事が出来ます。
(5) スキルズマネージメントシステム(NetCampus/SKILL)
富士通の人材育成では、全社の事業戦略に基づき、組織としての人材開発計画を立て、しいては各個人の人材育成計画に反映し、教育を受講し個々のコンピテンシーの向上を計り評価し、事業戦略に貢献するという、HRDサイクル(Human Relation Developmentサイクル)を確立していきます。
その為に、「教育受講履歴」「資格情報」「スキル情報」などの情報を一元管理し、分析し、事業に活用する為のプラットフォームを構築していきます。(現在計画中)
このように、人材育成の中心となるプラットフォームNetCampusシステムは、当社の館林に建設されたIDC(Internet Data Center)に設置され、そのセキュリティと高信頼性を確保しております。
NetCampusシステムは、現在、運用機でサーバ14台から構成されており、その殆どが二重化設計で構成されています。また、コンテンツを提供する、Streamingサーバは全国4箇所に分散設置されており、更にコンテンツの拡充と受講者の増大に備え、20台規模に増設する予定でおります。