News Letter「ドメイン名と紛争処理の現状」(4/17)

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ICANNが、このドメイン名紛争というものを何とか解決しなければいけない、という問題意識から1999年10月に"ICANN uDRP"(統一ドメイン名紛争処理方針)という1つのポリシーを策定した。

大きな特徴として、先ほどドメイン名と商標との問題とは大きく2つあると述べたが、ICANN uDRPが解決しようとしているのは後者のサイバースクワッティングのみである。 権利者間の争いというものに関しては、ドメイン名空間上どちらが悪いかどうか判断ができないものである。 この種のものは、裁判所に行って解決してもらう、と割り切ってドメイン名を管理しているICANNとしては、あくまでもドメイン名というものの本来の使い方ではない形で悪意に基づいて登録されているもの、明らかに悪者だ、というものに関してなんとか排除していこうということで作ったのがICANN uDRPである。

対象は、".com"(ドットコム), ".net"(ドットネット), ".org"(ドットオルグ) 。

現状ドメイン名は大きく2つに分類できる。 1つはGenericTLD(GTLD)というのが7つ。 com,net,orgもその7つのうちの3つで、その他に、".edu"(ドットエデュ)や、アメリカで使われている".gov"(ドットゴブ), ".mil"(ドットミル)、さらに国際機関が使っている".int"(ドットイント)、これら7つのGTLDというのが一つの固まりである。 もう1つは、CCTLD(Country Code Top Level Domain)という世界中の各国に割当てられたトップレベルドメインが250弱ある。 これが現状の全てのドメインである。 昨年末、ICANNが新たにGTLDを7つ追加するとのことで、今年7つ追加される予定。 また、本日現在で、".biz"(ドットビズ), ".info"(ドットインフォ)というものが登録可能な状態になっており、この後5つ追加される予定である。

ICANN uDRPに関して現状は、".com", ".net", ".org" が対象になっている。 1999年10月24日にICANNの理事会が承認し、その年の12月1日に実運用が開始されている。 ICANN認定レジストラはすべてuDRPを採用する。 ドメイン名のデータベースを一元的に管理するところがレジストリといわれ、現在「ベリサイン」というところが ".com", ".net", ".org" に関して一元的にデータベース管理をしているレジストリである。 その下にレジストラと呼ばれる登録受付機関(登録機関)がICANNの認定する機関で、現状で認定されたところが140程度(動いているのは約半分)ある。 ICANNから認定を受けたレジストラはすべてICANN uDRP紛争が起きた場合、ポリシーに基づいて解決するということを採用することが義務付けられている。レジストリやレジストラというのは、ドメイン名を登録する側の機関であり、一方で紛争が起きた場合には、ICANNがこれとは別に認定している紛争処理機関というものが、現在全世界に4機関(具体的名称は後述)あり、それらに対して権利者が申し立てを行う。
 

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