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富士通代表挨拶


富士通株式会社 代表取締役社長 秋草直之

 富士通の秋草でございます。

 SS研の皆様、日頃私どもの商品、あるいはサービス等々を、ご愛顧いただきましてありがとうございます。高いところからではございますが御礼申しあげます。

 また、先ほど総会が無事に終わったとお聞きしました。おめでとうございます。この会を、渡瀬会長の下、新しい委員で益々発展させていただければありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 先ほどの総会で、今回退任されました大阪経済大学の家本先生、九州大学の天野先生、航空宇宙技術研究所の福田先生、日本大学の山本先生、明治大学の石川先生、理化学研究所の戎崎先生、どうもありがとうございました。また、新しく幹事になられました関西大学の土田先生、国士舘大学の矢島先生、日本原子力研究所の蕪木先生、北陸先端科学技術大学院大学の松澤先生、明治大学の阪井先生、それに理化学研究所の姫野先生には、これからよろしくお願いいたします。

 ところで、私は、時々、外部での発言で無意識のうちにきついことを言ってしまうのですが、言えば言うほど、あちらこちらから、会議に出ろとか、委員になれとか言われてしまいます。先ほどの渡瀬先生のお話にもありましたように、結局、政府のIT戦略本部員になってしまいました。今度は、その瞬間だけ小泉首相が私の上司になるわけです。その瞬間は、公務員倫理規定法に制約されるわけでございます。そこで一番発言していますのが教育の問題です。大学と民間の間のコラボレーションをもっとやるべきだ、もっとやり易くすべきだということを、何回も何回も言っております。いつだったでしょうか、しつこく言いました時、その時の文部大臣の有馬委員から、「秋草さん、そんなことは分かってるんだよ。できないんだからしょうがないだろ。」と怒られました。有馬先生はお分かりなっているのです。その後、それを受けて、いろいろな答申を出していただきました。そのくらい、産と学の連携という問題はいろいろなところで重要だと思っています。もちろん官も必要でございます。

 半導体の問題ですが、300個ほどのいろいろな技術項目について、日本、アジア勢、アメリカ、欧州勢とチェックしますと、日本の半導体の技術水準は、あきらかにアメリカと水があいています。もちろん向こうはmilitary分野の研究が入っていますので、予算の使い方、内容も水があいているのです。欧州、アジアと比べると同じようなものという感じがします。このことを最近盛んに言っています。これも産学官が一体になってやらないといけないと思っています。しかし、我々の業界以外はそのような認識がありません。我々の業界がそれを言わないのがいけないのですが、半導体はちゃんとやっているからいいじゃないかと言われます。バイオ他は、まだまだそれ以前の問題と言うので、産官学の連携には関心がありません。それじゃダメだと最近またお役所に向け積極的に発言しているわけでございます。
 これから、半導体の線幅が0.13、0.11、0.07、0.05μmというふうになったときに、もう一民間の力ではできない領域になり、基礎科学からやらなければいけないと認識しておりまして、是非とも学との連携が必要であると痛切に感じております。
 そんなことを言っていますと、今度は、総合科学技術会議の委員をやってくれと頼まれました。その中で予算を決める重点分野推進戦略専門調査会がありますが、その委員になっています。委員の中で、民間の人間は二人か三人で、他は全部大学の先生なのです。そこでは、人文科学は科学技術の対象に入るべきかどうかを延々と議論してるわけですが、そんなことより、日本の科学技術では半導体、スーパーコンピュータ等々をもっと重点的にやるべきだということを議論すべきだと思います。なんとなくバイオバイオと走っていますが、バイオはコンピュータではできないんだということも一生懸命言っているのですが、多勢に無勢です。しばらく言いつづけるつもりでございます。
 このような場で、皆様の意見をできるだけ拝聴しまして、何らかの形でもっと研究をやり易い環境に変えられるよう、発言していきたいと思いますので、是非ともご支援、ご協力をお願いしたいと思っています。

 いろいろと申しましたが、SS研の皆様には、本当にお世話になっておりまして、我々ももっともっと皆さんの意見を伺って、またそれを製品・サービスに反映して、本当により良い、それこそお客様とサプライヤという関係だけでなく、産学の関係を築いていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。簡単ではございますが、挨拶に代えさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)


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