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開催趣旨


企画委員 : 松澤 照男(北陸先端科学技術大学院大学情報科学センター)

     ただいまご紹介いただきました北陸先端科学技術大学院大学の松澤です。

     合同分科会の準備を進めてまいりました企画委員、そして事務局を代表させていただきまして、僭越ですが、本分科会の開催趣旨を説明させていただきます。

     ただいまの渡瀬会長のご挨拶にありましたように、今回のテーマは、「高速ネットワークを考える」です。会長のお話の中で趣旨は充分に説明されていましたが、それに加える形で、簡単に説明させていただきます。

     現在、昨年度の補正予算からスーパーSINETあるいは、ITBL、e−Japanという構想が実施に移されつつあり、大学研究機関、企業等が、10ギガビットで結ばれる時代がやってきました。大学研究機関に在籍している者としては、高速ネットワークには非常に大きな期待をしておりますが、先ほどの会長のお話にありましたように、単に量的な拡大だけではなくして、質的にも変化が起こるであろうことが想像された訳であります。特に我々情報環境の管理運用に携わっている者として、これらに対してどのように対応すべきか、あるいは、このような高速ネットワークの将来展望や問題点や課題を明らかにすべきではないかということで、今回このような「高速ネットワークを考える」というメインテーマを設定させていただきました。

     このような背景のもとで、明日午前中に、「高速ネットワーク」に関して話題提供者からのご報告、そして討論会「高速ネットワークでどう変わるか?」というテーマ が企画されました。討論会のパネリストの先生は、高速ネットワークのミドルウェアから教育研究環境を研究されている第一人者の方々をお迎えしています。皆様のご協力のもとで、高速ネットワーク時代に伴う課題、あるいは輝かしい未来を討論できるのではないかと大いに期待しております。

     今年度は特別講演の後に、3つの分科会に分かれて、分科会セッションが並列に行われます。システム技術分科会では、「超高速ネットワークとスーパーSINETの活用」のテーマで行われます。超高速ネットワークを活用する上でのセキュリティ上の課題など、技術的な側面から検討が行われると聞いております。また、研究教育環境分科会では、「デジタルキャンパスの実現に向けて」のテーマで、研究教育への応用についての討論会が開催されます。デジタルキャンパス実現には、高速ネットワークが必須になっていますので、その応用として、様々なことが検討されると思われます。そして科学技術計算分科会では、「パラレルコンピューティングの現状と今後」というテーマで行われます。夜の懇談会では、「グリッドコンピューティングは役に立つか?」ということで、高速ネットワークを科学技術計算の立場から検討が行われると聞いております。

     以上、各分科会での討論をベースに、先に述べました明日の討論会、「高速ネットワークでどう変わるか?」のテーマに結びつけて、実りある討論を期待しております。

     さて、今回の合同分科会では、二つの特別講演を企画しました。ひとつは、この後すぐ行われますハイパーメディアコンソーシアム理事長の矢田光治先生による特別講演「高高度飛行体IT基地の開発動向 〜無人飛行体を浮かべて、ケータイ、デジタル放送、観測への無線利用〜」です。矢田先生はSS研の設立時の発起人のお一人で古くからSS研の活動に非常に献身的にご尽力された方と聞いております。以前、電子技術総合研究所におられました時に、研究機関でコンピューテングのミーテングをやろうということで、SS研を最初に立ち上げれらた方と聞いております。通信と放送の融合する時代で、無線を利用したネットワークが注目されております。このような意味で興味深いお話もお聞きできるのではないかと期待しております。もうひとつの特別講演は、先ほど、司会の谷口先生からお話がありましたけれども、東京大学の名誉教授で、工学院大学の三浦先生にお願いしておりましたが、先生のご病気のため、急遽、富士通研究所のペリフェラルシステム研究所の駒田聡様にお願いしました。三浦先生にマイクロロボット、昆虫ロボットのご講演をお願いしていましたので、その延長上のロボット関係ということでお願いしました。ご迷惑をおかけしました駒田様には、お詫びすると同時に、ご快諾いただきましたことを心から感謝申しあげます。駒田様からも最前線のロボット研究の貴重なお話しがお伺いできるのではないかと楽しみにしております。

     また、今回の文化講演は評論家の歌田明弘様にお願いしました。高速ネットワークで支えられるであろう今後のインターネットの文化的な側面から様々なお話が聞けるのではないかと思います。そして、今回新しい試みとして、今年度から開始されたワーキンググループの中間報告およびチュートリアルを企画しました。ネットワーク時代の統合ストレージマネジメントWGはメンバーを公募してWG活動を開始しました。また、PCクラスタWGについては、オープンなWGを目指して活動を続けているようです。それぞれの活動状況およびこれまでの成果が報告されると思います。SS研ユーティ報告とともに貴重な報告がされると期待しております。

     以上、多少こじつけはあったかもしれませんけれども、メインテーマの「高速ネットワークを考える」ということでは、分科会、そして懇談会、明日の討論会へと、様々な角度から高速ネットワークを解剖し検討する、そういう会になるのではないかと思います。

     最後に、9月11日、非常に忌まわしい事件が発生し、世相が騒がしくなってきております。富士通さんも新聞発表を見ていますと、非常に厳しい状況にあるということが聞かれてます。今回は会員さんとともに、富士通さんも是非元気がでるような会にしたいと思っております。そのためには、会員の皆様の知識、情報等、様々なことを、さきほど渡瀬会長が仰ったように、Face to Faceで交流をし、明日を目指した課題を明らかにし、解決の方向が共有できる会に是非ともしたいと思います。さらに、皆様には、 是非ともリラックスしていただいて、楽しい会にしていただきたいと思います。それが今回の合同分科会を有意義にするための必要条件ではないかと思います。

     以上、会員の皆様と富士通さんのご協力で、今回の分科会を是非成功に導きたいと思いますので、是非ご協力をお願いしたいと思います。以上、簡単ですが私の趣旨説明を終わりたいと思います。

     どうもありがとうございました。(拍手)

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