Scientific System研究会Home SMPスレッド並列WG 〜2005年度 活動計画〜
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(1)活動方針
富士通が、ベクトル計算機を要素とする分散主記憶型からSMPを要素とする分散主記憶型のスーパーコンピュータへと製品転換を行うに伴い、過去4年間にわたってSMP単体およびSMPを要素とする分散主記憶型並列計算機における並列化の技術と評価を実施し、成果をあげてきた。
しかしながら、これらの並列化技術あるいは並列計算機利用技術が必ずしも十分に普及し、活用されている状況にはない。この理由としては、既存のプログラムを「利用するだけ」の利用者が増えてきたことや、計算機パワーが飛躍的に大きくなりプログラミングよりは本来のシミュレーションによる研究に時間を割くようになったことが考えられる。
並列化技術(計算機利用技術)や評価の研究が重要な側面は、「次の」計算機を開発するにあたり、ハードウェアやOS、コンパイラを考える指針を与えてくれることにある。ベクトル計算機出現当初のベクトル化技術研究と計算機評価に関する研究は高性能ベクトル計算機の開発と自動ベクトル化コンパイラの開発に貢献することができた。
以上のような認識から本WGにおいてはこれまで以上に幅広いアプリ分野で、スレッド並列を軸として如何にスカラ並列の性能を引き出すかという観点から、引き続きSMP計算機の性能を追求する並列化技術について研究する。またその際、簡便な方法で性能を引き出すという観点も合わせて検討する。さらに、並列化ノウハウの普及と利用者拡大に役立てるため、従来のWGメンバーのみの参加に限定されたクローズドな開催形式に加え、SS研会員であれば誰でも参加できるオープンな開催形式も随時考慮する。

(2)活動内容
2004〜2005年度活動結果
  • 会員メンバの測定評価を元に、主にスレッド並列に関する効果的な並列化手法のノウハウ共有を行った。また、コンパイラ機能への要望を製品へ反映した。
  • 主なセンターにおけるエンドユーザの利用状況(プログラミングスタイル、MPIライブラリ/数学関数の利用状況)の調査・分析により、並列計算機利用技術の改善に向けた検討を行った。
  • チューニング事例集の目次案の検討を行った。

2006年度活動計画
  • 会員メンバの測定評価と、センター利用状況の分析を継続して行う。
  • チューニング事例集を作成する。
  • 成果報告書を作成し、合同分科会で配付する。

(3)進め方
  • 活動期間:2年間(2004/11-2006/11)
  • 会合開催:年4回程度

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