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SS研HPCフォーラム2008

ペタスケール・アプリを支える基盤技術

※ SS研会員に限らず どなたでもご参加いただける オープンイベントです
印刷用ご案内


1.日時 :2008年8月27日(水)
・フォーラム  10:30〜17:20 (受付 10:00〜)
・懇親パーティ 17:40〜19:00
2.場所 :汐留シティセンター 富士通(株) 24階 大会議室
3.開催趣旨
 近年、気象、地球環境、もの造り、ナノテク、医療、バイオなど様々な応用分野において計算シミュレーションの役割はこれまで以上に重要視されております。一方、アプリケーションプログラム開発者にとっては、プログラムの大規模化・アルゴリズムの複雑化はもちろんのことmany-coreの有効利用、キャッシュ、メモリや通信の階層性、等これまで以上にコンピュータアーキテクチャを意識せざるを得ない状況が待ち受けているように思えます。また大規模なシミュレーション結果の可視化等、ペタスケールシステムが扱うプリ・ポスト処理にも多くの課題が残されております。
 このような背景を鑑み今回のフォーラムでは、「ペタスケール・アプリを支える基盤技術」をテーマに国内外を代表する研究者に次ぎのようなご講演をお願いしました。小柳先生からコンピュータのアーキテクチャとアプリケーションの歴史的な相関を通じた次世代のHPCシステムのあるべき姿についてご講演頂き、佐藤先生には超並列時代を見 据え、アプリ開発において生産性の高い並列プログラミング言語についてご講演を頂きます。小野先生からは可視化技術を中心に、超並列計算機が生み出す大規模なデータ処理に関わる要素技術についてお話を頂きます。海外からは、University of ViennaよりHans Zima 博士をお招きし、DARPAのHigh-Productivity-Computing-Systems (HPCS) プロジェクトで開発された並列言語を中心に超並列時代の並列プログラミングについてご講演を頂く予定です。以上を通じ、ペタスケール時代のアプリケーションとそれを支える基盤技術ついてみなさまと活発な討論ができればと存じます。
4.プログラム(敬称略)
10:00- 受付
10:30-10:35 開会あいさつ
青柳 睦 (九州大学情報基盤研究開発センター)
10:35-10:40 SS研会長あいさつ
村上和彰 (九州大学情報基盤研究開発センター)
10:40-11:45
紹介:5分
報告:50分
Q&A:10分
[1] 海外招待講演「High-Productivity Languages for Peta-scale Computing」
Dr.Hans Zima   Principal Scientist, Jet Propulsion Laboratory, California Institute of Technology, Professor Emeritus, University of Vienna, Austria

High performance computing has become the third pillar of science and technology, providing the superior computational capability required for dramatic advances in fields such as DNA analysis, drug design and astrophysics. However, in today's dominating programming paradigm users wanting to fully exploit the capabilities of parallel machines are forced to adopt a low-level programming style that leads to high-cost software production and error-prone programs that are difficult to write, reuse, and maintain. Emerging petascale architectures built with many-core components providing millions of threads, and applications of growing size and complexity will further aggravate this problem. ...and more

※講演は英語です。(通訳なし)
11:45-12:45
報告:50分
Q&A:10分
[2] アプリケーションとアーキテクチャ
工学院大学 小柳義夫

 コンピュータのアーキテクチャとアプリケーションがどのような相互作用を行って来たかについて総括する。最初の電子式自動計算機ENIACは、弾頭計算という特定のアプリのために製作されたが、多くの目的のために利用された。1964年のIBM 360シリーズの発表以来「汎用コンピュータ」がコンピュータ設計の基本原理とされ、どのようなアプリケーションにも対応できるという幻想を振りまいた。1976年のCray-1を嚆矢とするスーパーコンピュータの出現は、科学技術計算を目的としたコンピュータの意義を確認させた。その後、マイクロプロセッサの高速化と低価格化により「汎用チップを用いた専用計算機」が可能になったが、マルチコア化のためにデータ転送がボトルネックになりつつある。与えられたコンピュータシステムでいかに速く計算するかという努力は重要であるが、新しいコンピュータはアプリケーション(複数)を想定して設計するべきである。何にでも速いコンピュータを作るという目標では設計上の判断ができず中途半端なものになってしまうであろう。
Keyword: アーキテクチャ、アルゴリズム、専用計算機、並列計算機、科学技術計算

12:45-14:00 昼食
14:00-15:00
報告:50分
Q&A:10分
[3] ペタスケールシステムへの並列プログラミング言語の課題 -並列言語検討会からの中間報告-
筑波大学 計算科学研究センター 佐藤三久

 今後の科学技術アプリケーションの大規模化、超並列化、及び高性能化の要求に対応するためには、並列化アプリケーション・プログラムの開発は必須であるが、現在はメッセージ通信ライブラリ(MPI)による非常にプリミティブな並列プログラミングが主流となっており、その低い生産性及びプログラム並列化の高コスト化が問題になっている。ペタスケールシステムとなる次世代スーパーコンピュータをはじめとするこれからのHPCシステムは超並列システムとなることから、アプリケーションを容易に開発するための並列プログラミング言語が必須であるとの認識に立ち、現在、検討会を立ち上げ議論を行っている。本発表ではHPC向けの並列プログラミング言語の動向を俯瞰し、検討会での議論の中間報告を行う。
Keyword: 並列プログラミング言語、超並列システム、並列プログラミング、ハイパフォーマンスコンピューティング、ペタスケールシステム

15:00-16:00
報告:50分
Q&A:10分
[4] 次世代HPCにおける大規模データの可視化環境
理化学研究所 小野謙二

 超並列計算機が生み出す大規模なデータは、それを効率的に扱うこと自体がチャレンジングな課題であり、ポスト処理はこれまで以上に解析のボトルネックになる。可視化プロセスはシミュレータとは異なり、各ユーザ毎の多様な作業シナリオが存在する。このため、可視化システムは作業者の主観的な側面が強く現れ、機能性とともにユーザビリティが重要視される点が特徴的である。本講演では、大規模なデータを効率よく扱う上での問題点と要素技術について概要を述べるとともに、現在設計を進めている大規模可視化システムの開発について報告する。
Keyword: Large-scale data visualization, Knowledge discovery, simulation framework, performance, usability

16:00-16:15 休憩
16:15-17:15
報告:50分
Q&A:10分
[5] 富士通のペタスケールコンピューティングに向けての取り組み
富士通(株)次世代テクニカルコンピューティング開発本部 追永勇次

 富士通はペタスケール級次世代スパコンの先行システムである「FX1」を今年4Qより投入する。その中で、次世代へ繋がるアーキテクチャとして取り入れた、マルチコア新技術や高機能 スイッチの実測結果を示し、さらに、次世代スパコンへの取り組みについて、報告する。
Keyword: マルチコア技術、高機能スイッチ、超並列計算機、性能評価

17:15-17:20 閉会あいさつ
水本好彦 (国立天文台データセンター)
17:20-17:40 休憩
*講演者、企画委員による編集会議があります
17:40-19:00 懇親パーティ(会費:\500)

#お飲み物とおつまみの簡易パーティです。お気軽にどうぞ。
#会費は当日受付にて申し受けます。

5.参加費 :無料(懇親パーティは \500)
※ お申込み受付は終了しました。

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