平成10年度科学技術計算分科会 第2回会合スケジュール


テーマ:オープン化の現状と課題


    【開催趣旨】

     会員所属機関では、UNIXサーバを運用中もしくは導入を検討している
    所が多い。UNIXサーバを運用している機関では、様々な利用面の工夫
    や運用上の課題を解決した経験を有している。
     本分科会は、UNIXサーバを運用している機関の利用面/運用面の経
    験や課題を報告してもらい、運用中もしくは導入を検討している会員相互
    の情報交換、及び問題解決を図ることを予定している。
     また、富士通からは、オープン化を踏まえた「富士通のUNIXサーバ
    への取り組み」を報告してもらい、議論を深める予定にしている。

     


     1.日 時 : 平成11年1月29日(金)午後1時〜午後5時35分

2.場 所 : 富士通(株) 本社 20階 大会議室
     [所在地]東京都千代田区丸の内1-6-1 丸の内センタービル
     [電 話] 03−3216−3211(代表)

3.企画委員: 佐藤一雄(核燃料サイクル開発機構)
       福田正大(航空宇宙技術研究所)
       渡部善隆(九州大学大型計算機センター)
       石川 正(高エネルギー加速器研究機構計算科学センター)
       畑佳一朗(富士通 シス本・科学シス統・R&Dシステム部)
       大空 瞭(富士通 ソ事本・HPCソフト統)
       野村一成(富士通 シス本・第三シス事・第一文教システム部)
       畠間晴夫(富士通 シス本・科学シス統・R&Dソリューション部)
 
4.検討内容: (敬称略)

              −司会−             石川企画委員


 (1)開催趣旨         佐藤企画委員      【13:00〜13:10】

 

 (2)オープン系利用技術紹介と展望

 

  ・Seamlessな分散並列計算を支援する科学技術計算環境【13:10〜13:40】
                  日本原子力研究所
                  計算科学技術推進センター
                  今村俊幸

 

        ネットワークの発達で多種多様な計算機が利用可能となり、単一
  計算機環境以上に利用者の思考が途切れることが多くなった。
   原研開発中のSTA(Seamless Thinking Aid)基本ソフトは、次の2点
  をSeamless化し利用者を支援する。
   1. プログラム開発過程での"様々なツールの利用を効率化"
   2. 分散する"様々な計算資源を意識させない"
  講演当日はSTA基本ソフト紹介を行う。

 

 


  ・WWsiteの現状と今後              【13:40〜14:10】
                  (株)富士通静岡エンジニアリング
                  第2開発統括部第4開発部
                  大橋隆美
                  富士通(株)
                  ソフトウェア事業本部
                  長田和久

 

         Web技術を利用した計算機利用環境や運用環境を WWSiteシリーズ
   として、利用者向け機能(WWSite JE)およびシステム管理者向け機
   能(WWSite SC)をそれぞれ開発してきた。これらの機能の現状、今
   後の課題、展開計画について報告する。
    利用者向け機能では、新機能、VPPworkbenchの機能との関係等に
   ついて説明する。システム管理者向け機能では、複数計算サーバを
   管理対象とした機能、クラスタシステムへの対応、センタ固有機能
   の組み込み、セキュリティの強化、SystemWalkerとの関連、等につ
   いて説明する。

 

 


  ・京都大学大型計算機センターにおける        【14:10〜14:40】
             LAPACKの移植について
                  京都大学大型計算機センター
                  浅岡香枝
 
       線形代数パッケージLAPACKを並列ベクトル計算機Fujitsu VX/2およ
 び Fujitsu VPP500/15向けにベクトルチューニングを施し移植を行っ
 た。
  ここでは、移植に際して施したベクトルチューニング手法を明らか
 にし、その効果について 実測データを基に議論する。 更に、コンパ
 イラの最適化機能がLAPACKの演算結果におよぼす影響とその対策につ
 いてコーディング事例を上げて紹介する。

 

 


             <休憩>            【14:40〜15:00】

 


 (3) 運用システムの現状と課題

 

  ・東京大学宇宙線研究所の現状と課題         【15:00〜15:30】
                  東北大学理学系研究科
                  (前東京大学宇宙線研究所)
                  井上邦雄

 

        当研究所では、解析プログラムの改良に伴う再解析をしばしばお
  こないます。
   その規模は、途中出力 30TB という大規模データに対し数種類の
  解析を行い、1ヶ月程度で処理を終了するというもので、計算能力
  のみならず I/O性能が重要となっています。計算機更新に伴う分散
  型から大規模 SMP型への移行で、どのようにシステムが改善された
  かを報告します。
   また、大規模サーバでは、ひとたび障害が起るとその被害は甚大
  なものとなってしまいます。大規模SMPサーバを使ったシステム構
  築の際の参考となるように、当研究所で経験した障害や問題のいく
  つかを報告したいと思います。

 

 


  ・長崎大学総合情報処理センターのオープン化とその課題
                 
長崎大学       【15:30〜16:00】
                  総合情報処理センター研究開発室
                  野崎剛一

 

        長崎大学総合情報処理センターでは、平成9年1月に、AP3000を中
  核としたUNIXシステムへのリプレースを行い、長期間、利用してき
  た汎用OSであるMSPを廃止した。UNIXシステム環境の利用について
  は、平成元年のM760/30システム導入後より、徐々に準備を行い、
  前々回のリプレースやキャンパス情報ネットワークシステム、ATM
  ネットワークシステムの導入等などに伴い、機器選定や運用するた
  めのノウハウの蓄積を行った。
   ここでは、現システム選定への経過を交え、運用システムの特徴
  や課題について報告する。

 

 


 (4) 富士通のUNIXサーバへの取組み         【16:00〜17:30】

 

  ・プラットフォームの展開
                  富士通(株)ソフトウェア事業本部
                  田中隆一
                  富士通(株)コンピュータ事業本部
                  白石 博
 
        新規開発した高性能・高信頼な64ビットRISCプロセッサ
  「SPARC64−GP」を最大8CPU搭載し、基本ソフトに
  Solarisを採用した新UNIXサーバGP7000Fファ
  ミリを11月に発表したが、プロセッサの継続的なエンハンスに
  加え、2000年には最大128CPUまでの拡張を計画している。
  R&D分野とビジネス分野共通のプラットホームとして、特に高
  信頼面でのプラットフォームの取組みについて報告する。

 

 


  ・FUJITSU SPARC/Unixサーバ向け並列言語処理系
                   富士通(株)ソフトウェア事業本部
                  堀田耕一郎

 

        SPARCプロセッサを搭載したUNIXサーバでは、プロセッサ単体の
  高速化のみならず、多数のプロセッサを搭載したSMPマシンとして、
  高速化が進んでいる。SMPマシンの高性能を引き出すには、言語処理
  系のSMP機能サポートが必要かつ重要である。
   本報告では、次期当社SPARC/UNIXサーバマシンの性能を引き出す
  言語処理系として、コンパイラにおける自動並列化機能及びOpenMP
  言語仕様の他、MPIによる並列処理記述サポート機能、並列プログラ
  ミング支援ツールについて紹介する。

 

 


 (5) まとめ              佐藤企画委員  【17:30〜17:35】

 

5.懇親会                        【18:00〜19:30】                                (中締め 19:00)

 




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