この数年、「エコ」、「グリーン」を頭につけた言葉が多く見られる。これは地球温暖化問題のみならず、大気汚染など私達の生活を脅かしかねない課題が各方面で意識・検討されているからであろう。一方、「エコ」「グリーン」とはそもそも何を意味するのだろうか。環境維持に関係する言葉としてエコロジー (ecology)がある。元来エコロジーは生物学の一部である生態学という意味であるが、広義には生態学的な知見を反映しようとする文化的・社会的・経済的な思想や活動を指す言葉に転化している。よく、エコロジーとエコノミーは対立軸として捉えられがちだが、これらの言葉の語源はいずれもギリシャ語のオイコス (οικοσ)であり、「家」・「環境」という意味であることは面白い。
今年の合同分科会のテーマは「エコロジー」に据えました。地球温暖化などエコロジーの課題が人類の生存に関わる問題になってきているという事実を踏まえた上で、国内外の全体的な流れや個別技術に関する多方面の話題をご紹介いただき、「持続可能な開発」や「環境保護」に向けて情報技術に長く関わっている私達もこの流れにどのような貢献ができるのかを討論できる場としたい。