国立国語研究所の『「外来語」言い換え提案』によると、「イノベーション (innovation) 」という言葉は25%未満の国民にしか理解されていないそうである。しかし、イノベーションを「経済や産業などの発展につながるような技術や仕組みの革新」と定義すると、その恩恵に預りたい、あるいは、イノベーションを引き起こす(ことによって利益や名声を得る)側にいたい、と思う人は非常に多いであろう。
一方、変革することがいつも何かの発展につながるとは限らず、むしろ、イノベーションにはならないまま終わった変革も無数にあるはずである。
そこで、この合同分科会では、今ではあれがイノベーションであったと認識されている革新がどのような人々によって引き起こされ、彼らはどうしてそのような着想を得たのか、新たなイノベーションを生むためにできることは何か、あるいは、発展につながると期待して始めた変革がイノベーションに至らなかったのはなぜか、われわれはそこから何を学ぶことができるのか、といったことについて、情報交換や討論を行いたい。