Scientific System研究会HomeHPCミーティング2001 〜プログラム〜
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HPCを切り拓くアプリは?
** HPCミーティングは、非SS研会員も参加可能です **
 
1.日時2001年11月 1日(木) 18:00〜 *懇親会のみ
2001年11月 2日(金) 9:00〜16:00
    合同分科会と連続開催
 
2.場所神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズ [MAP] [交通案内]
 
3.開催趣旨HPCの世界では、現在次世代インフラとしての超大規模並列コンピュータシステム、ネットワークコンピューティングの技術開発が進む中で、科学技術の分野で真に革新的な影響をあたえる応用ソフトウエアの開発が求められている。
本ミーティングでは、これら将来のHPCを切り拓いて行く代表的なアプリケーションである環境科学と材料科学分野から先端的研究の報告を頂き、将来のHPC研究の方向性について議論を深めることを目指す。
 
4.プログラム11月 2日(金)
8:30〜 9:00受付
座長 : 戎崎企画委員
9:00〜 9:05
開催趣旨説明
蕪木企画委員
9:05〜 9:20
富士通役員挨拶
富士通(株)取締役 コンピュータ事業本部長 青木隆
9:20〜10:20
招待講演
"Interactive Digital Models of the Milky Way Galaxy and Surrounding Intergalactic Space"
Carter Emmart, Visualization Director
Digital Galaxy Project, American Museum of Natural History, New York
 
   As part of the effort behind the building of the new Rose Center for Earth and Space at the American Museum of Natural History in New York City, the Digital Galaxy Project was begun to create a mapping of existing databases for which distance information was available. The resulting three dimensional atlas of observed data will be demonstrated during presentation at the Fujitsu HPC Meeting. An additional, larger scale model of intergalactic space which was charted by Brent Tully, Ph.D., of the University of Hawaii will also be presented.
   These models of the universe beyond the scale of our Solar System now serve the basis for show production and education at the Rose Center, currently in its second year of operation. Description of how we present the model across the entire dome of the new Hayden Planetarium in the Rose Center will be provided.
   Various efforts involving HPC have been part of show production and research visualization in the Hayden to date. Description of how HPC has been used to provide computation for simulation and image generation will be cited and shown.
 
講演は英語になります。(通訳なし)
10:20〜10:30休憩
座長 : 青柳企画委員
10:30〜11:20
一般報告1
「地球温暖化問題の現状 〜何が分かって何が問題なのか〜」
(財)電力中央研究所 我孫子研究所 上席研究員 環境科学部長 丸山康樹
 
   1997年末に開催された国連温暖化防止京都会議(COP3)では、先進国はCO2等の温室効果ガスの削減数値目標の設定に合意した。 また、温暖化問題の科学的・学術的な検討に関しては、IPCCの第3次評価書(2001年版)がまもなく発行される予定である。 まず、その概要を簡単に紹介したい。 一方、最近、米国のブッシュ政権は、京都議定書の批准に反対しており、あらためて地球温暖化防止の難しさが浮き彫りになった。 このバックグランドには、ブッシュ政権閣僚の地球温暖化問題は科学的に見て確かなのか、という質問に対して、米国科学アカデミーNAS(National Academy of Science)が用意した回答書が存在する。 米国が京都議定書に反対する理由はなんなのであろうか、その理由を分析することは地球温暖化問題の本質の部分を理解する上で重要と思われるので、これについても簡単に紹介しておきたい。
   電中研では、約10年前から米国の研究機関と協力して、信頼性の高い科学的情報を得るため、温暖化予測研究に取り組んできた。 上述のIPCC第3次評価書およびブッシュ政権の温暖化問題への対応計画との関連性に留意しつつ、その中から、CO2排出削減と濃度安定化および濃度安定化がもたらす温暖化防止効果についての研究成果を紹介したい。 さらに、排出削減について仮に世界的な合意が形成されず、将来温暖化が進行した場合、我が国周辺の海洋環境変化、台風等がどう変化するのかについても研究成果を紹介する。
   最後に、今後の温暖化予測研究におけるスーパーコンピュータへの期待について述べる。
11:20〜12:10
一般報告2
「産業技術総合研究所における計算科学 : ナノからマクロまで」
産業技術総合研究所 先端情報計算センター 寺倉清之
 
   工業技術院の15の研究所が再編され、産業技術総合研究所として平成13年4月からスタートした。これまでの電総研、物質研、融合研などの研究所がなくなり、全部で60に近い数の研究ユニットが作られ、非常にフラットな組織として運営されている。この再編に際して、これまでの研究所に散在していた計算科学研究に従事している研究者が集まり、計算科学研究部門を組織した。同時に、先端情報計算センターは、従来の事務組織から研究組織の方に組み入れられることとなり、小さいながら研究グループを持つこととなった。また、情報処理研究部門は、従来の電総研の中の研究グループを中心として組織された。
   計算科学研究に従事する研究者は、それら以外にも多くの実験系の研究ユニットに所属しており、具体的なアプリケーションを通じて実験研究を補佐したりリードしたりしている。更にまた、アトムプロジェクトと呼ばれる国家プロジェクトが融合研を中心に進められてきたが、これも来年の3月まで続けられる。アトムプロジェクトには理論グループがあり、そこにおいても計算科学的研究が精力的に進められてきた。以上のようなことを背景として、本講演においては計算科学研究部門の研究活動を例として、最近の計算科学研究の一端を紹介したい。計算科学研究部門は次の5つのグループからなっている。
  • 基礎解析研究グループ
  • 量子モデリング研究グループ
  • 粒子モデリング研究グループ
  • 連続体モデリング研究グループ
  • 複合モデリング研究グループ
   物理、化学、数学などの基礎的な問題を扱う基礎解析研究グループ、量子力学の原理に従って、物質の性質や化学反応などを扱う量子モデリング研究グループ、原子集団の統計力学的振る舞いを扱う粒子モデリング研究グループ、いわゆる計算力学と呼ばれる分野で活躍する連続体モデリング研究グループと、ミクロからマクロまでを連続的にカバーすることができる研究集団となっている。これら広いスケールの問題について、異なるグループ間の橋渡し役を期待しているのが、複合モデリンググループである。
   ナノテクノロジーが21世紀の基盤的技術として非常に注目されているが、ナノテクノロジーは計算科学にとって挑戦的内容を多く含んでいると同時に、計算科学的研究が大いに活躍できる場でもある。ナノテクノロジーに用いられる材料は、シリコンなどの無機材料からDNAなどの生体材料までと幅広い。また、ナノテクノロジーでの重要な概念は量子効果であり、ナノスケールの系に対する量子力学的計算が要求される。そのような複雑な系における統計力学的扱いも容易ではなく、新しい計算手法の開発が必要になる。同様に、生体系に対する計算科学的研究への期待も大きく、タンパク質をまるごとに量子化学的に扱ってしまおうという試みがなされつつある。
   こうした状況に対して、現在はどの程度のことが試みられているかを紹介したい。
12:10〜13:40昼食
   リサーチ・エキジビット | ISV製品デモ

座長 : 中村企画委員
13:40〜14:20
一般報告3
「コンピュータ開発におけるCAE技術の現状」
富士通(株)生産システム本部 山本治彦
 
   現在、IT市場ではドッグイヤーといわれる短いサイクルで、製品の開発や市場への投入が行なわれ、開発設計を担当する部門はこの様な環境への対処が求められている。 1990年代に入り、構造、流体、熱などの確立した基本解析技術に加え、熱流体、疲労寿命、衝撃、電磁場などの解析技術が急進展をとげた。 富士通では最適なソルバー選択を行い、さらに予測の精度を上げるため、モデリング技術向上、物性計測、精度検証を行い、設計シミュレーションを実現した。 コンピュータ開発に有効に使われているCAE技術として、ISVアプリ、自主開発アプリの使用事例と効果を紹介する。
(1)設計のシミュレーション
  • 基板の設計 ----- 伝送解析
  • モバイルPCの開発 ----- 熱流体解析
  • 実装技術の開発 ----- 疲労寿命解析
  • 携帯電話の開発 ----- 衝撃解析
  • プリンタの開発 ----- 粉体解析
  • 磁気ディスクの開発 ----- 磁気解析
(2)ものづくり(製造・プロセス)シミュレーション
(3)シミュレーションツール
  • 連成解析 ----- COSS
  • 最適化 ----- CAOS
  • 自動メッシュジェネレーション ----- PAMS1 VOXELCON
   現在シミュレーションは部品レベルから装置レベルへ大規模化して来ている。また、回転しているファンの特性、携帯電話の落下衝撃挙動、半田の熱サイクル疲労などの時間発展現象を扱うシミュレーションが普及し、シミュレーションの長時間化が激しい。 シミュレーション用のプロセッサもベクトル型から並列型に変化しており、ISVソフトも並列化へようやく移行を開始している。しかし、まだ並列化技術による性能向上は十分で無く、ソフト/ハード面での並列計算技術の向上を願う。
14:20〜14:30Coffee break
14:30〜15:30
富士通報告
「次期HPCサーバについて」
富士通(株)コンピュータ事業本部 エンタープライズサーバ事業部 第三開発部 池田正幸
 
   富士通は1980年代にVPシリーズ、1990年代にVPPシリーズを開発し、多くのお客様にその性能の高さを評価して頂いております。現在、これまでのHPC技術をベースとし、新技術を統合した次期HPCサーバを開発中です。本報告では、次期HPCサーバについて、ハードウェアおよびソフトウェアの概要を述べます。
15:30〜15:55
質疑応答
15:55〜16:00
まとめ
蕪木企画委員
16:00終了
※各講演時間に質疑応答時間も含みます。
 
5.その他費用詳細,宿泊手配など
 
6.申し込み参加申し込みは受付終了しました。