現代社会は複雑・高度化するだけでなく、その変化も著しく、将来の予測が困難となっている。中央教育審議会では、このように変化の激しい時代に生き残るため、「生涯、学び続け、どんな環境においても“答えのない問題”に最善解を導くことができる能力」を育成することが大学教育の大きな目標であるとしている。
このような背景のもと、これからの学びについても学生がより主体的に学ぶかたちが現れてきている、例えば、京都大学のデザインスクールでは「社会の実問題を異なる専門の大学院生の協働で解く」ことを実施している。複数の学生が集まって、電子情報も印刷物も含めた様々な情報資源から得られる情報を用いて議論を進めつつ、学びあい教えあう学習スタイルを可能にする「場」を提供すべくラーニングコモンズという空間設計も多くの大学で進められている。さらにデジタルファブリケーションは「ものづくり」をより多くの学習者に可能にすることで新たな学びのかたちを創造しつつある。また、自律的に学ぶ環境としてのMassive Online Open Course (MOOC)やSmall Private Online Course(SPOC)の取組も本格化してきている。
このような背景の中、教育環境分科会では、昨年度に引き続いて年間のテーマを「学生主体の学びとその支援」とし、第1回会合は「これからの新しい学びのかたち(仮)」をサブテーマとして実施を予定している。また、第2回会合は「MOOCの活用(仮)」をサブテーマとして実施予定である。本分科会では、学生主体の学びとその支援を実施していく教職員やSE, 営業職に加え、学習の主体者である学生の参加も積極的に呼びかけていく。